『落選』の1票となるとも『組織票』『票割り』の1票となるなかれ

 2022夏。酷暑もさることながら、驚きと戸惑いの夏。として記憶されるだろう。
 7月初旬。あの日昼頃から日本のさる所で慌ただしい現場があった。外出から帰宅し、私事が片付き、早めに届く夕刊で事件を始めて知った。
 1面上段の白抜きの重体の大きな活字。事件が起きたのは、そんな凶事とは一番縁遠いと思える奈良。しばらく行く事がなかったけれど、「いにしえの~」にふさわしい大好きな土地。信心深くない私でさえ仏の御霊の漂いを感じる場所。早速TVをつけた。奈良大和西大寺駅前。破裂音と白煙。しかも3Dプリンターでもない手製の銃。その衝撃が消える間もなく、死亡が確認された。

 数日後の参院選は誰に、比例区はどこに投票しようと悩んでいた。選挙権を得てから、ほぼ毎回投票していた。自分でなんとなく決めていたルールがあった。政権党以外の候補者から選択する。とにかく皆が同じ方向を向き過ぎない社会であるようにと。ところがこの何年かの、どの選挙も投票率の低さもあって、政権党に有利な状況が続き、暴政と言ってもいい日本。では誰にどの党を選べばいいのか?そんな事ばかり考えていた。そこへ、思いもしない凶行が起こった。多分これで又、政権党に有利な選挙結果になるのだろう。「なんてこと!」そんな気持ちが占めていた。

 故人を鞭打たない。これが人情なのだろう。とは言え、他国からも、当然社交辞令を含めての好意的メッセージが贈られた。それで全てが許される訳がない。

 私の心持ちとしては、『ゴールドのゴルフクラブ』に始まって、日本人として恥ずかしい言動をする人としか思えなかった。正体のはっきりしない団体へのビデオメッセージ、失言に屁理屈、ムードだけで政治を行った。『モリ・カケ問題』『桜を観る会』など公権濫用。それに忖度する政・官・民の歪み。悪政極まり、将棋で言うなら詰んだ状況。まさかの幕切れである。

 その後の展開も、象徴的である。凶行に及んだ犯人の動機と背景が浮かんできた。政界に食指を動かす宗教団体と議席獲得の為とあればどんな立場に構わず利用する構図があらわになった。     

 安倍教と揶揄される、狂信的支持者達。多くの人々が、一つ方向を向いてしまう恐さ。World War Ⅱの悲惨さ、愚かさを誰もが判っていて然るべき世の中のはずなのに。

 騒動から一月半は過ぎようとゆうのに、亡霊がまだ、その存在を誇示し続けている気がする。とかく多くの人が、自己の判断の不覚を糊塗する事に走りがちで、気がついた時には後戻り出来ない状況に陥る。誤った方向へこのまま行ってしまうのか?正念場に立たされている。残念ながら、狂気の方策ばかりに支持を与え続けた人達の改悛・悔悛に委ねるしかない。と、マイナーな立場の私には、打つ術がない。

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