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TVドラマ雑記『Dr.HOUSE』

 病気は、治療の前に診断が必要。医師は膨大な知識を駆使し、患者の症状から病名を判断するが、過程が複雑ならそれは謎解きに近い。
 偏屈な診断医グレゴリー・ハウスの仕事は、患者に嫌味を言い、私生活にズケズケ入り込んで、命を救うこと。病気の原因は、生活習慣や環境にあり、患者が全てを把握しているわけでも、常に真実を言うとも限らない。疑いを持ち、周りの目を気にせず謎を追い求めるハウスは、まさに医療のシャーロック・ホームズだ。
 謎解きだけではない。人気と実力による継続が生んだ、多様な観点は魅力的だ。保険会社との関係、薬剤による安楽死、薬物依存症……現代医療と患者が直面している様々な問題に、登場人物たちのドラマが重なる。全8シーズンと手を出すのを躊躇するかもしれないが、医療関係者の努力と、生活に潜む病の根源の多さを、改めて認識するいい機会を与えてくれるはず。
 まずは嫌な奴だが善良な人間であるハウスと、嫌な奴でも尊敬と愛情を捨てられない同僚たちを見てほしい。離れられなくなる。

(『Dr.HOUSE』はHuluにて全シーズン配信中。筆者は頑固なハウスが優しさを見せるだけで泣くようになってしまった……困った)

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