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プロジェクトがDAOを当てにしていたはずが、簡単じゃなかったということが多そう

今日は、頭の中にぼんやり考えていることを、言語化したら何か新しい着想が生まれるかもしれないと思いまして、中立的な視点でNFTのDAO(自律分散型組織)で起こってそうなことを少し振り返ります。
※どのプロジェクトというより、一般的なこととして。

DAOとはメンバーが共通の理念や考え方をもとにして活動をしていく組織と定義されることが多く。一方で、中央集権型組織は、少数のトップや提供元がルールを決めて参加者の権利を保全したり、統制したりします。
一概に、どちらが良い悪いではなく、これまでの歴史やサービスは中央集権型組織で有り続けてきたし、中央の少ない人が効率的な取り組みを決めて、いわば多くの人に強制することで社会は発展してきたのです。

2022年、NFTという生産枚数が限定されたコンテンツを提供する技術が確立することで、コンテンツを持ちながら、積極的に自立分散組織を運営を試みるプロジェクトが出てきました。グラフィックリソースや世界感のコンセプトを、DAOの参加者が無償で使うことを認めて、結果的に、エコシステムを発展させることで参加者全体が利益になる画期的なビジネスモデルモデルです。多くのNFTプロジェクトはこれを掲げています。

この方法であれば、プロジェクトの公式コンテンツの価値は、DAOのメンバーがコンテンツを利用して二次コンテンツを創作し、ネットへ拡散していくことで、プロジェクト自身が動かなくても、コンテンツの知名度を高め、マネタイズしやすい状況が作れると見込まれているのです。ファンアート等、多くのグラフィックがプロジェクト以外から出れば出るほどに、コンテンツの知名度が上がり、その後は、プロジェクトは公式コンテンツを販売することでマネタイズすることができるし、二次コンテンツを作る参加者もうまく収益を得られそうです。


実際のところ、この仕組うまくいくのか?


プロジェクトの運営としては、この仕組のメリットが多いのです。しかしながら、ファンアートを描く参加者としてはどうでしょうか?

そのファンアートを描くイラストレーターのモチベーションはいくつかありそうです。
・コンテンツが好きだから描く
・2次コンテンツを売って収益を得るために描く
・コミュニティを盛り上げたいから描く
など
前提として、SNSで拡散されて、オリジナルコンテンツにまで波及する二次コンテンツはかなりの品質が必要ですね。必要となるイラストレーターのスキルは高く、工数は小さくありません。


これを満たす条件をプロジェクトが用意することが簡単ではなかったのです。


まず、コンテンツが圧倒的に魅力である必要があります。
多数あるプロジェクトから選ばれる最低ラインです。そこには世界感という意味づけ、追加の公式コンテンツやコミュニティマネジメントをしっかり入れて運営することが必要です。これは非常に労働集約的なお仕事でコストがかかります。Discordに張り付いて対応する必要があります。そのマネジメントがDAOで自発的に発生することもありますが、それだけの魅力がコンテンツに必要です。一度、コンテンツを作って放置するだけでは到底このような活動は起こりません。どれだけ著名なクリエイターさんが絵を書いたとしても結果は同じでしょう。

NFTのプロジェクトはDAOを巻き込むことで、低コストにビジネスを大きくすることができるはずでしたが、そうも行かないようです。NFTのプロジェクトは数がとても増えました。二次コンテンツを作れるクリエイターに選ばれるには、プロジェクトが相応のコミットと期間を要することが、数々の終わっていってしまったNFTをプロジェクトの犠牲を元に分かってきています。(DAOだからといって完璧じゃないよね。。

  • ファンアートなどの二次コンテンツがプロジェクト運営のいないところでも自発的に生まれている状態になっているか。

  • プロジェクト運営に、そのために合理的な運営方針と活動量がみられるかどうか。

Discordを覗きに行ってその状況をチェックすることも十分可能です。追加コンテンツをあの手この手で売ろうとしているソシャゲ運用のようなプロジェクトは少なくないです。これだけだとなかなか続いてきにくいと思えます。

二次コンテンツが作れるクリエイターや、その応援者、投資家だったとして、希少な資産である時間やお金をそのDAOに使って良いのか。結構シビアに判断されるようになってきてるし、プロジェクト運営も求められるものが上がってますよね。
というお話でした。




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