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大人って素晴らしいよ

先日、大学生とお話しする機会がありました。

就職に悩んでいるそうです。

コロナ禍のなか大変そうです。

こじらせ大人の私になぜ相談してきたかは不思議でしたが、思ったことを書いてみようと思います。

私の職歴

私はいわゆる就職氷河期に就活をした世代です。

とはいえ、ありがたいことに大手金融機関に就職することができました。

しかし3年経って、思うところがありベンチャー企業へ転職し、周囲には奇異な目で見られたことを思い出します。

なんでも揃っていた大手企業と違い、パソコンと机があるだけの会社。

営業として転職した先は、既存顧客なんて先輩のもので、新規営業なんて初めてやりました。テレアポも飛び込みも。

口汚い言葉で罵られ、玄関先で冷たくパンフレットを捨てられ、会社名を名乗っても知らない、当たり前ですが、大きなカルチャーショックを受けました。

その後少し大きめではありますが、同じくベンチャー企業へ転職し、結婚し、いったんキャリアを止めました。

プライベートな問題があり、あまり働くことができなくなったため知り合いの小さなネットショップの店長をし、子どもを産みました。

子育てをする中で「このまま私は終わるんだろうか」と考え、怖くなった私はいろいろ勉強したり模索する中でフリーライターとして独立することを選択。

ありがたいことにコネなし、スキル微妙で独立してなんとか5年目を迎えます。

3年で6割が消えるというフリーランスの世界で、自分のペースでゆったりと仕事ができているのは幸運としかいえないです。

やりたいことがないんです

件の大学生に話を戻します。

「やりたいことが見つからなくて…」開口一番そんなことを言われました。

まぁそうでしょうね。大学生でやりたいことも働きたいスタイルも決まっている方が珍しいでしょう。

やりたいことで生きていく!なんて威勢の良い言葉が並んでいる昨今ですが、やりたいことなんてそう簡単に見つかるもんでもないです。

足掻けば良い。みっともないくらい足掻けば良い、私はそう答えるだけです。

「どう足掻けば良いんですか?」

それくらい自分で考えろ、と口に出そうかと思いましたが(笑)止めました。正解はないよ。近道もない。

ただ、あなたが思い切って私に会いにきたこと、それも十分立派な行動力だよ。おばちゃんはそう思います。

やりたいことで生きていく、なんて無責任だと思う

「やりたいことで生きていく」なんて最近流行なのかよく聞きます。

でもね、生きていくなら「やりたいことで得意なことで生きていく」がないとダメかな、と思います。

人は霞を食って生きていくことはできません。

甘い言葉で無責任に勧誘し、ノウハウコレクターを育てる詐欺師まがいのビジネスが横行していること、若者たちがそれに感化されすぎていることに、一抹の不安を覚えます。

お金をもらうということは、スキルなり知識なり、提供するものがないとダメです。

好きなことだけでなく、得意なこと、できることがない限り、それは対価をもらうものではないのです。

でも、得意なことって適性検査じゃ出てこないからね。私なんて適性検査で出てきた一番あっている職業”ミュージシャン”でしたからね(笑)子どもの頃に習ってたピアノさえ満足に弾けないし、歌だって音痴なのに。なんだったんでしょうね、あの検査…

私の場合で言えば、得意なことは文章を綴ること。だから最終的に今ライターをしています。

noteは何も考えずにだらだら描くから文章めちゃくちゃだけど、昔から作文も小論文も得意でした。得意なことから好きなことを見つける、ってのも悪くないよ。

社会に出ることを怖がるその若者に伝えたかったこと

私もこじらせていますが、大人たちは社会での不満を公明正大に吹聴します。居酒屋のオヤジの愚痴もその一つ。

だから社会に出ることを怖がり、好きなことや得意なことがないことに落ち込み、失敗の怖さを先に考えるのかもしれません。

でもね、私は声を大にして言いたい。

大人って自由で楽しいよ。だって選択できるんだから。

飛び込み営業して灰皿投げつけられたあの日も、私はわざわざ大企業から好んで移ってそんなドブ板営業をやっていました。

お給料も減ったし、ボーナスだって寸志になったけど、楽しかった。

子どもの頃から思い描いていたエリートではなくなったけれど、私は自分で営業先をきめ、プランを考え足を運ぶその仕事が大好きでした。

断られても、断られても、凹んでないフリして、7cmヒール以下を絶対履かないと決めて、背筋を張って向かっていく日々が楽しかった。

早帰りデーなんてなくなって、接待で美味しいご飯を食べる予算もつけてもらえなくなったけど、毎日終電まで働いて、コンビニ弁当を食べて死んだように眠り続ける日々の方が今振り返っても充実していた。

大企業が悪かったわけではなくて、私は水が合わなかっただけ。

大企業の時にできた人脈や繋がり、仕組み化された仕事の仕方は、今でも大きな財産なので、これはこれで大事ですけどね。

足掻け若者よ

私だってまだまだ未熟者。

迷いもあるし、こじらせてばっかりだけれども、足掻いて手にできる未来があるってやっぱり大人の特権だと思います。

怖がって、机上の空論で踏み出せないなんてもったいないです。

やりたいことないなら、一通り経験させてくれる大企業に行くのはおすすめ。水が合えばそのままいれば、でっかい仕事もいつか回ってくる。やっているうちに好きな仕事になるかもしれない。うじうじひきこもってたって何にもならない。

合わなければ、出ていけば良い。

社会は別に優しくも歓迎もしてくれないけれど、不寛容でもない。

社会を変える力なんて、私には1mmもないけれど、足掻いて自分自身の世界を変える力くらいは持っている。

だってコロナウィルスってたった6ヶ月で世界の常識を変えたんだよ。

私の狭い世界を変えるくらい、たった1日でできちゃうかもしれないじゃん。

怖がらないで良い、できることがどんどん増えていく大人って楽しいから。

最近ちょっと愚痴っぽくなってたから、若者と話しているうちに自分も改めてまだまだ足掻いて行こうと前向きな気持ちになれた、そんな日でした。

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