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どうして私鉄は「揺れる」のか?

私は、私鉄の乗り心地が好きだ。
普段はJRで通勤をしているが、別のところに用事があって久々に私鉄を2日連続で利用した。

私鉄の、ローカルな街並みの中を『ガタゴト』と走っていく感じが何とも心地よいのである。
高校生の頃は通学に私鉄を使っていたから、そのノスタルジー的な思い出補正もあるのかもしれない。
何より、読書が進む。

揺れが大きいと感じるのは私だけのことかと思って、調べてみた。
どうやら、それぞれの設計思想やニーズの違いに由来するらしい。

JRは、全国規模の鉄道網による長距離の高速な移動が売りだ。
だから、流れるような乗り心地で疲労を軽減できるように、揺れを低減する車両設計や定期的なメンテナンスを欠かさない。

一方私鉄は、ローカルな都市間や都市内での移動手段である。
だから、街に合わせて線路はどうしても曲がりくねってしまうし、駅から駅の距離が短いので加減速も多い。

これが、私鉄の『ガタゴト』の理由らしい。

高校時代の私は、都会に出た後の2駅だけJRに乗り換えていたのだが、その滑るようにスーッと進んでいく乗り心地にこそ良さを感じていた。
しかしそれから10年以上が経つと、私鉄の曲がりくねった道行きが、地元に寄り添う暖かさのように感じられて、心地良くなった。

便利、早いは確かに価値だが、そればかりでない「味」も、気付いたながらに大切にしたいと思う。

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