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なぜ結論を先に書くべきか?神話学で考えてみた。

読者さまはヒーローです。さまざまな試練を乗り越えてきたヒーローには、何よりもまず宝物(結論)を差し出しましょう!この記事で分かることは「結論を先に書きましょう」ということのみ。どれだけ読み進めてもそれ以上は分からない点に注意して楽しんでいただければ幸いです。

物語の型であり成長の段階でもある「ヒーローズジャーニー」

神話学で結論の先出しについて考えるときに知っておきたいのが「ヒーローズジャーニー」です。神話学者ジョーゼフ・キャンベルは、古今東西さまざまな神話に登場する主人公がたどる道に、一つの型があることを発見しました。

1. 日常
2. 旅立ち
3. 宝物
4. 帰還

大まかな流れはこの通り。例えば『スター・ウォーズ』がこの流れに沿って作られた作品ということは有名です。『ワンピース』や『鬼滅の刃』といった大ヒットまんがの主人公も、同じ道をたどっています。

ヒーローズジャーニーにのっとった物語であることは、ヒット作の最低条件ともいえるでしょう。ただしヒーローズジャーニーが当てはまるのは物語。SEO記事にそのまま使うには向いていません。

SEO記事の主人公は「読者」

Webライターは「読者はヒーロー」と意識するのがよい、というのが私の考えです。ヒーローズジャーニーの型はSEO記事には当てはめにくいものですが、読者そのものの行動には当てはまります。

「日常」の中で読者は疑問を持ち始めます。例えば「トマトはどうやって保存すると日持ちするのだろう?」と考えている段階です。

「旅立ち」では疑問について検索します。「トマト 保存方法」と検索バーに打ち込んで、検索結果の一覧から閲覧する記事を見つけます。

ここで登場するのが、私たちWebライターの書いた記事です。ただし記事そのものが「宝物」になるわけではありません。宝物はキーワードへの答えであり、記事の結論です。先の例でいえば「トマトの保存方法」といえます。

無事に宝物を手にしたら「帰還」する段階です。「トマトの保存方法」を知った読者は、さっそくトマトを調べた通りに保存します。するとこれまでより長くおいしい状態で楽しめるはずです。

(実際には実践しない読者さんもたくさんいらっしゃるとは思いますが。)

宝物は宝箱を開けたらすぐに見える場所に

ここでヒーローになったつもりで考えてみましょう。あなたは生まれ育った村を出発し、冒険へと旅立ちました。道半ばで自分の力のなさに落胆し、そこから修行したり仲間と出会ったりしたことでしょう。

道中ではモンスターとの戦闘もあったはずです。幾多の困難をくぐり抜け、やっとたどり着いた場所で、あなたは宝箱を見つけました。鍵も既に持っているためさっそく開きます。

すると輝く宝物が入っているではありませんか!苦労して冒険に出たかいがあったというものです。仲間と喜びを分かち合い、もといた村へ宝物を持ち帰ります。

家族や友人はあなたの持ち帰った宝物を見て「よくやった!」と口々にほめたたえるでしょう。誇らしく思ったあなたは「必要があれば次もぜひ冒険へ出よう」と思うはずです。

つまり検索してスムーズに答えが見つかれば、読者はきっと次も検索して問題を解決しようとするでしょう、ということです。

もしも宝物が宝箱の底に埋まっていたら?

では宝物が1番上になかったとしたら?まず入っていたのは宝物の取扱説明書でした。次に入っていたのは設計図です。どのようなシーンで役立つか記載されたガイドブックもあります。宝物と一緒に使うとより効果的なアイテムも入っていました。

しかし宝物はありません。この時点で宝箱を閉めて「ここに宝物はなかった」と諦めてしまう人もいるでしょう。宝箱を隅々まで探して宝物を見つけた人も、場合によっては「こんなに頑張ったのにこの程度……」と落胆を隠せないかもしれません。

頑張ってきたのに思ったような成果を得られなかったヒーローは、きっとこう思うでしょう。「わざわざ冒険に出ても無駄だし、少しくらい不便でも今のままでいいや」と。

つまり検索して思うような答えを見つけられなかった読者は、次回以降検索しなくなる可能性があるということです。

だからやっぱり結論は先出しで

紹介したのは全て架空のお話。もちろん底の底まで探して「めっちゃいいものあった!すごい!」と村に持ち帰れるヒーローもいるでしょう。しかしそこまでするヒーローは多くないかもしれません。

そもそもWeb検索自体が使われなくなりつつあるともいわれています。身に覚えはありませんか?アプリ内検索でサクッと目当ての情報を探し、お気に入りのメディアへじかにアクセスする行動。

だからこそ頑張ったヒーロー(読者)には、宝物(結論)を最初に出すことです。できるだけ見えやすい場所に結論があれば、読者はまた私たちの記事を役立ててくれるでしょう。

あとがき

「結論は先に」を神話学で理屈っぽく説明してみました。特に学ぶことはないお遊び記事です。どなたかの暇つぶしになれば幸い。

一つ加えるなら、アプリ内検索でもWebライターの記事にはたどり着きます。でもSEO対策した記事にはなかなかたどり着いてもらいにくいのかも?と思いこのような流れにしてみました。

以上でお遊び終了です。神話学が気になるなと思った方はジョーゼフ・キャンベルの『神話の力』ご覧になってみてくださいね。対談形式なので好みが分かれるかもしれませんが、私は好きです。


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