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エッセイはじめました <飲むヨーグルト>

 少し前ハマっていて、よく飲んでいたものがあった。「飲むヨーグルト」だ。もっと言えば、「飲むヨーグルト いちご味」だ。飲むヨーグルトは実においしい。とてもこの世の飲み物とは思えないくらいだ。

 私は飲むヨーグルト信者なので、体調が悪ければ、とりあえず飲むヨーグルトをごぶごぶ飲んでおけばどうにかなると思い込んでいる。異常すぎる。
 しかし、そんな洗脳生活に幕が閉じた。な、なんと、飲むヨーグルトを飲みまくっていたら………


おなかを壊したのだ


当たり前だ。当たり前すぎる。自分のことながら情けないしくだらない。阿呆すぎる。そりゃあ毎日のようにごぶごぶ飲んでいたらお腹を壊すだろう。幼稚園児でもわかるようなことだ。

 それでも私は懲りなかった(阿呆だから)。おなかを壊さない程度に飲むヨーグルトを飲むことを思いついたのだ。すごい!素晴らしい名案!なぜ最初から思いつかなかったのだろうか(阿呆だから)。

 だが、一度(実際は三回ぐらいだが)おなかを壊した人間が「飲むヨーグルトをおなかを壊さない程度に飲む」というのは普通の人間のそれとはひと味異なっている。いまの私は、「一歩間違えたらおなかを壊すというスリルを味わいながら飲むヨーグルトをおなかを壊さない程度に飲む」ということができるのだ。行為の名称が長いな。

 しかし、このスリリングな行為は八割五分くらいの確率でおなかを壊している。もはや本来の目的「おなかを壊さない程度に」が成立されていない。おかしいなあ。

 そのように、おなかを壊すのではないかというスリルを味わいながら飲むヨーグルトを飲み、そしてしっかりとおなかを壊す生活をしばらく送っていた。

 ある日私は飲むヨーグルトいちご味に匹敵する、この世の飲み物とは思えない飲み物その二を発見してしまう。「まろやかりんご酢」だ。
 まろやかりんご酢ならばおなかを壊す心配もなく(もうスリルではなく心配と化した)、そして「お酢」なので身体によさそうだ。特別データがあるわけではないが、なんとなく。

 と、いうわけで最近はまろやかりんご酢をごぶごぶ飲んでいる。もちろん、おなかは壊さない。

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