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エッセイはじめました <夢>

 人の夢の話を聞くのが好きだ。ここでいう夢とは、「日本一の○○になる!」とかいう目標、将来の展望のほうではなく、夜眠っているときにみるほうの夢だ。


 私自身がよく夢を見るタイプだ。よく、なんていうレベルではない。眠れば必ず夢を見る。しかも、どんな眠りでも、だ。お布団で眠るときはもちろん、バスで揺られてうとうとするときも、勉強中に机に突っ伏してしまうときなんかでも夢を見る。ごくごくたまに、かえって夢を見ないで寝るときなんかは、自分が本当に寝ていたのか信じがたくなってしまう。私のなかでは、寝ることと夢を見ることはイコールになってしまったのだ。


 自分がそういう質だからか、他人がどんな夢を見るのかもとても興味深い。母に「今朝どんな夢見た?」と聞いて、「覚えていない」と言われてしまうとがっかりだし、「あんたが出てきたよ」と言われればどんな登場だったのか熱心に聞きだしてしまう。


 私は小学校四年生のときに、毎晩誰かしらに殺される夢を見ていた時期があった。連日のように殺される夢を見て、怖くて怖くて、もう眠ることを放棄したいくらいだった。ドナルド・マクドナルドにも、ミッキーにも、嵐の松潤にも、母にも殺された。妖怪にも通り魔にも殺されたし、事故や災害のときもあったように思う。そんななか、私が一番理不尽な理由で死んだのがこのような夢だ。

 夢の中で、私は近所のスーパーに買い物に来ていた。そこで、ケーキの試食販売をやっており、私はその試食のケーキを食べた。とってもおいしく、「あ~おいしい!こんなにおいしいケーキ食べて、私もう死んでもいいや」と言った。完全に死亡フラグである。買い物が終わり店を出ると、パトカーが停まり、警察がうろうろしていた。
「どうしたんですか?」
「ああ、ついさっきここで人殺しがあってね。犯人が見つかっていないんだよ」
「え、そうなんですか。怖いですね」
警察官は私を見て言った。
「君、さっき死んでもいいって言っていたよね? 犯人の代わりに死刑になってくれないかな」
ひどい。ひどすぎる。
「じゃあ、どこの指がいい?」
「え、えっと……じゃあ、あんまり痛くなさそうな小指で」
「了解。じゃあ、切り落とすよ」
そう言って警察官は私の右手の小指を切り落としにかかった。私は手に痛みを感じて意識が遠のいていった。

というものだ。理不尽にもほどがある。頼むから警察はもっとちゃんとしてくれ。というか指を切り落としたら死んじゃう謎の設定はなんだ。

 ここ最近は死ぬ夢も殺される夢もめっきり見なくなった。ただ最近は毎晩のように夢のなかで怒鳴っている。大声で怒りくるって怒鳴り散らすのだ。気になって夢占いで調べてみたところ、怒りや苛立ちの表れだとあった。恐ろしい。夢と現実の境がわからなくなって現実で怒鳴らないようにしなければならない。

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