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エッセイはじめました <戌年>

 先日の成人式で久方ぶりに会った中学時代の友人から、こんなことを言われた。
「今年、戌年だけど大丈夫?」
多くの人には友人の言葉の意味がわからないだろう。実は私は、超スーパーウルトラミラクルハイパー「イヌが苦手」なのだ。


 物心つくころからなんとなくイヌが怖くて苦手だった。そして決定打となったのは、小学四年生のとき、友人の飼うイヌに脚を引っ掻かれたからだ。引っ掻かれたのは、そのイヌを飼っている子のおうちに遊びに行ったとき、誤ってイヌの縄張りに入ってしまったからだ。


 それから今に至るまで、ずうっとイヌが苦手だ。どのくらい苦手なのかというと、


道の向こう側からイヌが来たら、まず死を覚悟。そして反対側の歩道、或いは歩道から出て車道に逃げる。
飼い主さんに申し訳なさそうな態度をとらせてしまうほど、怖がる表情と行動をとってしまう。
鳴き声を聞くと怖くなる。あまりにひどいと私が(私も?)泣きそうになる。
人の衣服についているイヌの毛も無理。
イヌの写真や絵を見ても悪寒がする。
「イヌ」という言葉を聞くだけで怖い。
「犬」という漢字も、見ると怖くなる。「イヌ」なら「イ」と「ヌ」の集合体のため、ダメージは軽減する。
とても可愛くて好みなキャラクターでも、動物的にイヌだともう好きじゃない。
将来もしデートに誘われることがあるなら「日本中のイヌからあなたを守るので一緒に美術館に行きませんか」とかがいい。
将来もしプロポーズされるなら、プロポーズの言葉は「風ちゃんを世界中のイヌから一生守るよ」がいい。


といった具合だ。


 友人の心配のとおり、年末年始は様々な場所でイヌを目にして、寿命がかなり縮んだように思う。

 ついでに、先月病院で血液でのアレルギー検査をした。もし、イヌのアレルギーがあれば、イヌを避けることができる大チャンス!と思い、わくわくして結果の紙を見たのだが、イヌのアレルギー数値は極めて低く、残念な結果だった。

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