エッセイはじめました <襟と生きる>
先日、母と洋服屋さんに行ったときのことだった。私がチェックのシャツを眺めていると、それを見た母が呆れたように笑った。
「あ~そういうの好きだよね~」
はて。チェックはそこまで好きではない。好きな柄は水玉もようだ。そのことを母に言うと、いやいや、と言う。
「柄じゃなくて。襟があるやつってこと」
襟があるやつ……確かに!!!!
ここで私は急激に恥ずかしくなった。なぜなら。以前テレビ番組を何の気なしに見ていると、熟女好きを公言する芸能人がこのようなことを言っていた。
「いや~~熟女は襟がついている服を着たがるんですよ」
この言葉を思い出し、私はシャツをものすごい速さで棚に戻し、お店を出るまでもうその棚を見ることはなかった。
家に帰りクローゼットを見てみると、確かに襟のついている服は何着も持っている。クローゼット内にブラウスゾーンが存在するくらいだ。ブラウスの他にも、ニットに取り外し可能な襟がついているもの、カットソーに襟がついたものなど、トップスは襟襟カーニバルだった。マズい。現在十九歳にして服の趣味が熟女とは……!しばらく新しい服を買うときは襟のついた服は避けるように心がけることにした。
後日、暇つぶしにフリーマーケットのアプリをしてして、自分のお気に入り欄を見て戦いた。そこには大量のブラウスが登録されていたのだ。
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