魔乳秘剣帖

巨乳キャラクターがたくさん出てくるお色気作品というものはたくさんある。
有名どころだと「閃乱カグラ」や「一騎当千」なんかはシリーズの息も長く、遊技機等でも人気でメディアミックスの幅も広い。
それに対して「魔乳秘剣帖」は前述のタイトルと同じお色気ジャンルかつ作品の設定も少し親和性があるにも関わらず、アニメ放送時でも全然名前を聞かなかったし、なんならマンガ原作ということも知らなかった。

この手のお色気作品は劣情を煽るかどうかの方が大事なので内容は求められていない。
しかし、先程の「閃乱カグラ」や「一騎当千」がベンチマークならば、少し物語は見劣りしてしまう。
斬られると貧乳になるだとか、設定は斬新で「さすがはHENTAIの国だ」と感心するのだが、巨乳キャラクターこそ多けれどネームドキャラクターは少なく、好みのキャラクターを見つけられないと言うのも美少女がたくさん出る作品としては痛い。
尤も、話の風呂敷の規模には過不足なく、まとまりは悪くない。

そんなマイナー寄りの作品なのだが、10年以上経つ今でも僕が忘れられない衝撃があり、故に「魔乳秘剣帖」のタイトルが時折息を吹き返す。
それはアバンに入る「豊乳は富であり絶対」「貧乳は人に非ず」というナレーションだ。
トンデモないナレーションである。
なんて非道なルッキズム、性的消費、言葉による凌辱だろうか!
セクシャルハラスメントが一層センシティブな扱いになった現代、こんなものを流したら宇崎ちゃんなんか焚き火にすらならないほどの炎上をしてもおかしくない。
しかし、その清々しいまでの下衆さと煩悩のインパクトは、忘れようにも忘れられない。
悔しいが「声に出して読みたい日本語」というネットミームがよく似合うほど語感も素晴らしく、キャッチコピーというものが持つパワーを思い知った作品である。

因みに僕は二次元美少女キャラクターにおいて巨乳より貧乳派であるため、エロスという面でも「魔乳秘剣帖」の評価は高くない。

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