かいけつゾロリ

前回が児童書の話をしたが、児童書ついでに残しておこうと思ったタイトルが「かいけつゾロリ」だ。
広い世代から今なお愛され続けている「かいけつゾロリ」シリーズだが、最も世代が直撃しているのはチビ〜ガキの頃にTVアニメシリーズが放送していた僕ら世代だと思っている。

「ほうれんそうマン」シリーズのスピンオフとして始まった作品だと記憶しているが、基本的には別物と認識している。
ちょっとお下品(と言ってもおなら程度だが)な作品と自称しているものの、中には子供向けの謎解きがあったり、時事ネタを仕込んでいたり、ちょっぴり泣ける話だったり、健やかに成長する上で少し大切なことを教えてくれたり……と、愛されるだけの理由がある。
祖母からもらった「ようかい大リーグ」が手元にあったが故に最も印象に残っているが、お下品なギャグを挟みつつも、勝負事における諦めないことの大切さを僕に初めて感じさせてくれた読み物だと思う。
単純に好きなタイトルを挙げるなら「チョコレートじょう」と「きょうふのカーレース」で、ブルルとコブルの小悪党感がゾロリ一行と良い対峙になっているところが好きだった。
多分この2つは図書館で3回は借りた。

ゾロリにおける僕のエピソードが2つあって、今の僕の血肉になっているなぁと思うのは、サブタイトルは忘れてしまったが、ある1巻を丸々トレスしたことだ。
絵はもちろん、文章もセリフも全部が全部をノートにトレスした。
図書館に返したあとも読みたかったからとかそんな理由だったと思うが、今思えば違法複製である……とんでもねぇ奴だ!
ただの小学生なので販売したりは当然していないのだが。
これを教室で広げているのが先生に見つかり、絵を描くのが好きだった先生がホームルーム的な時間に「Wrenくんがすごいよ!」と晒したことを覚えている。
尚、僕はその先生の顔も名前も覚えていない。

もう1つのエピソードは、フィギュア付きストラップの景品が当たったこと。
応募者全員サービスだったのか抽選だったかのか忘れてしまったが、応募者全員サービスすら外したことがある()僕が初めて景品を手にしたので、大変嬉しかった。
送られてきた茶封筒は直筆で宛名に僕の名前、差出人に原ゆたか先生の名前があり、原先生本人に名前を書いてもらった!と大はしゃぎした。
実際のところ先生本人が書いたのかスタッフが機械的に書いていたのかは分からないが、当時の僕にはそんなことは考えていなかった。
今もその封筒が実家にある「幼少期の思い出箱」に入っている。

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