プレデター
みんな大好きアーノルド=シュワルツェネッガー氏が主演のアクションSFで、モンスターやクリーチャー系の金字塔だ。
そんなプレデターだが、その性質は他の作品とはかなり毛色が異なっている。
こういった未知のモンスター・クリーチャーはみな意思疎通が取れないし、残虐さに微塵も理性がないことが「我々とは相容れない」と認識する、本能的な恐怖に働きかけるタイプが殆どだ。
しかし、プレデターは第一作からその王道とはかけ離れた設定を持ち、そして最初から完成されたデザインで登場する。
人類以上の科学力を持ち、言語を使い、残虐でありながらも騎士道や武士道に似た精神的美学を持つ。
特にこのプレデターの持つ美学こそが根強いファンを惹き付けているのではなかろうか。
二作目となる「プレデター2」ではよりその知能や美学に焦点を当てた描写が多く、故にシリーズでも特に人気が高い。
「エイリアンVSプレデター」といった番外編ではプレデター同士の関係性についても深堀りされた他、人間との共闘シーンや人間を認める価値観も描かれ、益々ダークヒーロー的な存在になった。
マスクの下の顔は劇中でも「醜い」と評されているが、その特徴的な触肢や構造は僕たちオトコノコはロマンと魅力が詰まっている。
クモやサソリやヒヨケムシみたいな恐らく一般的には不快感のある生き物をモチーフにしていると思うのだが、そういった奇虫の類は刺さる人にはよく刺さるデザインで、同じモチーフでありながらもプレデターからの影響も強いであろうデザインのモンスターはあちこちのコンテンツで見かける。
後の作品では更に上位種のプレデターや他の生物との混血種、さらには突然変異種とその生態は大きく広げられている。
ゲーム化やコミック化もしているだけでなく、他のゲームへのクロスオーバー参戦も多い(フォートナイトに登場したときは逆にフォートナイトの懐の広さに関心したが)。
洋画アクションSFを語るのであれば外せないタイトルだが、やはり近年は少し設定描写が雑な気がしている。
「プレデター」「プレデター2」がシリーズで最も面白いナンバリングの一騎討ちだと思っているが、それこそ「エイリアン」同様に甲乙付けがたいナンバリングが多いということで、やはりコンテンツ時代の魅力の高さ故の人気だと改めて思う。
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