多岐亡羊

朝、学校までの一本道を歩いていた。シンプルに怒られてる子がいた。幼い頃から私は怒られることにとんでもなく抵抗がある。怒られると自分の全てを否定されたような気がして死にたくなるのだ。何を言われても涙が止まらないし、とにかく恐ろしい。そのため、街中で怒られている子供を見るととても感情移入してしまい泣きそうになる。今日は本当に危なかった。

たぶん小学3年生くらいの男の子が遠足か何かに行きたくなくて、嫌だと泣きながらもお母さんに連れて行かれていた。お母さんは速く歩いて。とか、行くって約束したでしょ。などと繰り返している。男の子は嫌だって泣きながらもゆっくりお母さんの後ろを歩いていた。そのシチュエーションだけで泣きそうだが、男の子の声があまりにも切ないのだ。私には分からないけど何が理由があるのだと思う。男の子の、学校だから行かなきゃいけなくてお母さんも行って欲しいって思ってる。行かなきゃ。と心の中では思っているけれどやっぱり嫌だ行きたくない。でも。という気持ちがもう隅々まで伝わってきて本当に泣きそうだった。さすがに我慢すれば我慢できる範囲だったので、泣いてもよかったが我慢することにした。夜だったら泣いていただろう。暗いから見えないしもう1日の終わりだからいっかなってなる。だがその時はバチバチの朝。しかも学校が目の前。周りには人がたくさん。という感じだったので我慢した。えらい。この涙貯金(?)は何か違うところで役にたってくれよなという気持ちであった。

こんな感受性はいつも足手纏い。芸術家になる訳でもないのだから、人並みで良いのに。

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