ねばりがち《2021.07.26.Mon.》

です。

本当に嫌になってしまって、もう帰るぞってなりかけた時、2通、ラインが来た。



冗談である可能性を信じたかった。実際、冗談である確率は10%くらいだったと思う。でも信じたかった。不必要な力だけが充満し、指先までがジーンとして、脳内がすりガラスのように曇っていく。泣き出しそうになる喉奥を、唾液を飲み込んでなんとか宥める。母と妹はバスで私は自転車だから、駅ビルさえ出ちゃえば一人になれる。頑張った。曲がり角を曲がった。

私は絶対に絶対に別れたくなかったので、ここで弱気になっちゃいかん。ゴネてゴネていけるところまでいこう。それでも無理で今すぐ別れたいと言われたらそこらへんの男ひっかけて慰めてもらおう。駅前で泣いてる女の子には黙ってても寄ってくるでしょ。と思っていた。思いながら、たぶんこういうところが合わないと思われたんだろうな〜とも思った。すごいたくさん思ってるな。

そうなんよ、もう、思考が同じとこグルグルしちゃって、どうやってこの危機を回避するかばかり考えてんの。ずっと緊張しててしんどくて泣いてる状況から脱したい。どうにかして大丈夫になりたい。この人に捨てられたくない。大好きなんだ。想いが走馬灯のように脳内を駆け巡る中、もしこの人が本当に私のことなど微塵も好きじゃなくなって、なんだこのチビデブスヤリマンメンヘラクソビッチが!俺の貴重な時間を無駄にしやがって!はよ別れろ!俺にはもっといい女がふさわしい!と思っていた場合、流石にそこから初期の気持ちまで引き戻すのは無理なので、次のことも考えなくちゃいけなかった。見方によっては、私は本当に前述の通りの人間だから。そう思われていたとしたも、その人の目が覚めて事実に気づいただけ。なにも間違っていない。男好きで男に媚びることへの抵抗がない。こうなっている原因?というかきっかけというか、本人は怒ってないと言っていたけれど、やっぱり無理かもと思ったきっかけにはなっているだろうことがあって、前日?前々日?に起きた、起こしてしまったこと。たぶん言ったらドン引きされるであろうことをして、バレた?時に素直に言えばよかったのをとっさに隠してしまい、それが再びバレるという最悪なこと。浮気ではない。

これ、本当によくないけど、よくないと思ったことをとっさに隠してしまう性質を私は持ち合わせている。そのことはよく理解している。昔書いているのでリンクを貼ります。

(見つけらんなかった!)

曲がり角を曲がったあと、自転車置き場に向かう道の途中にしゃがみ込んで号泣しながら駄々を捏ねていた訳ですが、結構人通りもあるし、目と鼻の先に警察署もあるし、面倒なことには巻き込まれたくなかったのでとりあえず自転車置き場までは行くことにしました。歩いている間も泣き続けていました。私はと〜にかく涙もろいので、些細なことですぐ泣いてしまう。そんな奴がこんなでかい衝撃を受けて平気な訳なかろう。

自転車置き場の奥の方はあまり人が来ないから、そこにしゃがんでまたずっと別れない!いや!無理!と駄々を捏ねていました。そうこうしていたらめちゃくちゃ蚊に刺されていてかゆかったので、とりえず自転車を引き出し、家に向かいます。この間も泣き続けていました。泣くという行為は物理的にもしんどいものです。家の前に着いた頃には心身ともに疲弊していたけれど、家に帰れる状態ではなかったのでとりあえず自転車を停めて歩き出しました。いや〜、ここまで全部とりあえずで動いているね。

まあとりあえずマンションの裏の公園?遊歩道?みたいなところを歩いて、疲れたな〜と地面のコンクリに座った。コンクリは、まだ昼間の太陽の熱を保持していたようで暖かかった。

返信を見ながら、もう無理だ。この人を失ったら私は生きていけない。大学を卒業してもずっと、なんなら一生一緒にいるつもりだったので、ここで途中退場されてしまうと私の未来が空っぽになってしまう。お先真っ暗。おしまい。死のう。何も考えちゃいけない。昔死のうとした時はほぼ全てのSNSを消してから死のうと思っていたけど、今回はもういい。自殺は衝動でするもの。心臓の動きを止める以外は何もしなくていいや。

行きたい場所があった。そこまで、体力の持つ限り歩こう。最後だからと思って、いつも止まっている赤信号を渡ってみた。そうか、最後か。最後なら、自動販売機で売っているゼリーみたいなのが入ってる飲み物が飲みたかった。自動販売機を探しに、住宅街の方へと進む方向を変えた。

普通にお菓子とかが売ってる自動販売機があった。

目的の飲み物は見つからなかったので、結局違うやつにしました。千円札を入れたら、お釣りが全部百円玉で帰ってきたので嬉しかったです。

よかったね。


こうして横道に入り、歩き続けていると、結構馴染み深い公園が見えました。あと、ねこが見えました。ねこ!?と思って公園の中に足を踏み入れるも、ねこの姿はありません。幻?ねこが好きすぎて幻を見るようになってしまったのかもしれませんね。その公園にはブランコがあるので、座って、へにゃ〜となっていました。辺りを見回すと、ちょっと思い入れのあったベンチが無くなっていて、あれ?ここにあったはずのベンチ、あったよな?ここだよな?無くなってるよな?そうだよな...と少し悲しくなりました。でも今は、そんなちっぽけな悲しみに暮れている場合ではない。とにかく別れるという発言だけは撤回させないと、死ぬ。

ここらへんで、死にたくない!まだ生きたい!という気持ちが芽生え始めていました。

は?本当に別れてもいいんですか?結局私がよかった...って後悔すると思いますよ?????くらい強気の自分と、いやもうこんな人間に時間を使ってもらうのは申し訳ない 私じゃなくてももっと可愛くて一途でいい子はたくさんいるし世界は広い ごめん でも別れたくはないよ〜の自分が共存している世界。不安定〜。

なんやかんやあって、今すぐに別れたい訳ではないことが分かって、金曜日に会う約束もして、一件落着。これで大丈夫になった、らしい。そうか、大丈夫になったのか。私は今大丈夫な状態。

大丈夫?大丈夫なのか、大丈夫なんだよな。よし。とりあえず死ぬ必要は無くなったけど、暫くブランコから動けずに、ぽけ〜っとTwitterを見たりストーリーズを更新したりしていた。

そうしたらまず、自転車に乗ったおじいちゃんが公園にやってきました。何やら防災倉庫をあけています。えっ。防災倉庫って消防署の人とかそういう人しか開けられないもんだと思っていたから、普通の町内会のおじいちゃんみたいな人が開けて何がゴソゴソしている光景はちょっと異質に見えたけど、まあでもそういう鍵を持っている人なんだろうな。比較的すぐに帰っていきました。

次に、何やら手に懐中電灯を持っている兄ちゃん2人組がやってきました。ベンチの下、木の周りなどを照らして、何かを探しているようです。何探してるんだ?財布とか落としちゃったのかな。でもなんか普通にベンチ座り始めたな。何しにきたんだ?謎だ...と思ってめちゃくちゃ見ちゃった。ちょっと見すぎたし、あっちも私のことを気にしているっぽかったから気まずくて、私は公園を出ました。公園を出て、歩くか〜と思ったけど、またすぐ近くのアパートの下に座り込みます。

なんか歩くの無理ぽ〜、ぽぽ〜の気持ちでした。しばらくまたTwitterとかやってたら、さっきの、何かを探していた兄ちゃんの1人が来ました。


一連の流れ こちら


やっぱり私は暗いところだとまだ小学生に見えるんだな〜と思って爆笑しちゃった。あとあの兄ちゃんたちが年下だったことも意味がわからない。

あと、探してたのはセミの幼虫か!なるほど。それで土のとこを懐中電灯で照らしてたのね〜。全てが府におちたよ。

めちゃくちゃ爆笑しちゃった。あの感じで他所行きの丁寧な喋り方だったのもおもしろかった。ちょっと元気出て、これがきっかけで家に帰ろうと思えた。

言った時には気づいていなかったんだけど、後で思い返したらすごくよかったな。


こうして帰った。疲れた。そのまま寝た。おしまい。

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