見出し画像

地方自治体×eスポーツの可能性について語ってみるよ

こんにちは!
ウェルプレイド・ライゼストの高尾です。気づけば長いことnoteにて発信をしていなかったなぁと思っていたのですが、それもそのはず本記事が2022年初めての執筆のようでございます。このまま年末を迎えそうな気もしています。

泉佐野市主催の高校生限定のeスポーツ合宿を行いました

泉佐野市主催のeスポーツ合宿、その名もeスポーツキャンプ。企画・運営としてウェルプレイド・ライゼストも大きく携わらせていただきました。高校生の夏休み。好きなゲームで泊りがけの合宿。”ゲームに市民権を”を会社のビジョンの一つとして掲げてきた僕としては「こんな時代がついに来たか〜」となかなか感慨深いものがありました。

さてこのeスポーツ合宿を簡単に説明しようと思うのですが、もうこれ以上に伝える方法がないレベルでGAME Watchさんの記事がイケておりますので、ぜひこちらをご一読いただけるとありがたい・・・のですが、僕の経験上noteの途中で別ページに飛ぶのってなかなかの腰が重いですよね。ということでそんなアナタのために10秒でわかるeスポーツキャンプ講座に参りたいと思います。

■eスポーツキャンプとは
- 主催は泉佐野市(自治体)
- 参加者は高校生限定(※今回は全国から44名が参加)
- 3泊4日のeスポーツの合宿(参加する高校生は寝食をともにする)
- eスポーツのタイトルはVALORANT(1チーム5名)
- 各チームにプロのトレーナーがつく
- 最終日は公式戦を行い、各チーム合宿の成果を見せる

以上です。なんとなく概要はわかっていただけたでしょうか。

このツイートにある動画を見て頂ければわかるのですが、控えめに言ってアオハルな感じであります。

なぜ地方自治体がeスポーツにチカラを入れるのか

さてイベントの雰囲気をお伝えしたところで、今回ご一緒させていただく泉佐野市の取り組み全体について僕なりの視点で語っていきたいと思います。
eスポーツキャンプの最終日に泉佐野市は”eスポーツ先進都市・泉佐野”を目指すための構想や今後の展望についてメディア向け会見を開きました。

この構想を聞いて「どうして急にeスポーツ?」という声が少しは出てくるのではないかなと思います。なぜeスポーツなのか、目的は何なのか。「なんとなくeスポーツが流行ってるから我が市も乗り遅れないようにしなきゃ!」なんて考えているとか?ちょっと意味もなく懐疑的に考えてしまいそうになりますが答えは至ってシンプルです。敢えてわかりやすい言葉で言いますがeスポーツによって泉佐野市が注目されて盛り上がって人が集まればいいんです。というか、どこの自治体であっても自分の場所を盛り上げたいという想いは常に持っていますよね。誤解を恐れずに言えば、市を盛り上げる手段としてeスポーツを使いたいということです。つまりこれは言い方を変えるとeスポーツの可能性を誰よりも信じているということになるかと思います(少なくともすでに行動に移しているわけですしね)。元はと言えば僕もeスポーツの可能性を信じて会社を立ち上げた身であるわけですので、それを市という単位でも一緒に信じてくれているというのは、eスポーツ業界にとっても純粋にありがたいことだなと思います。

eスポーツ先進都市はどうなればゴールか

泉佐野市には関西国際空港があり、いわゆる関西の玄関口としての機能があります。しかしその入口から目的地に泉佐野を選ぶ人は少なく、通過される場所になっていることが課題でした。単純にここを変えたい、泉佐野を目的地にさせたいわけです。そこに対する施策の一つとしてeスポーツの可能性に白羽の矢が立ったわけですが、ここにおいても考えの肝は空港にあります。eスポーツの一つの特徴としてオンライン対戦が簡単に行えることから世界中のプレイヤーと対戦し交流を持つことが出来ます。これにより国際的なコミュニティができあがり日本から海外のプレイヤーに対してファンになるということも珍しくありません。一方でオンラインで対戦ができる便利さもありながら、通信ラグの関係上で(特に規模の大きい公式大会などでは)選手が一つの場所に集まって試合をすることが多いです。つまりオフラインでeスポーツ大会を開催できるという下地を作っていくことができれば、選手や関係者が移動しやすい場所であることは大きな価値になります。そして世界のeスポーツ選手が集まって大会をやる場所には、国内外問わず多くのファンが集まります。もちろんこれは簡単な話ではありませんが、決して夢物語というわけでもありません。日本のファンにとっても世界の大きい大会が国内で行われていくことは嬉しいですし、それは泉佐野市にとっても当然嬉しいことです。泉佐野市が掲げるeスポーツ先進都市のゴールは、日本のeスポーツファンにとっても一つのゴールであると言えるかもしれません。

eスポーツ先進都市を達成するための戦略とは

会見の場において、初年度から3年度目までの具体的な施策の発表をいたしました。

今回行ったeスポーツキャンプも高校生を対象としていますし、今後行う施策も”アカデミー選手育成プログラム”という形で、どちらかというと若い層に向けた取り組みが中心となっています。このあたりの施策も僕たちウェルプレイド・ライゼストは一歩踏み込んで議論に参加させていただいております。色々と細かい議論はありつつも、僕らが大切にしている・するべきと思っているものはeスポーツに対するシンプルな熱量です。現場にいる人たちが本当にそう思っているか(熱量を持っているか)が、どんな高尚な戦略よりも重要だったりします。そして本プロジェクトには、それを一番に体言できるといっても過言ではないプロデューサー(ずーサン)を会社からはアサインしています。(代表からの圧)

彼には今回のメディア向け会見でも登壇をお願いしました。(一応)会社の代表である僕も現地にいた(なんだったら3泊4日ずっといた)ので、僕が登壇したほうが自然かもとは思いつつも、やっぱり一番前で張ってる人間が説明する方がノルもんもノルだろうなと。まぁこれは半分僕のエゴみたいな部分もありますが。ちなみにずーサンは会見の質疑応答で「信頼を積み重ねるしかない」と言っていました。彼はコミュニティに寄り添うのが上手である一方で、”信頼の積み重ね”という言葉の重みを誰よりも知っているので、僕個人としてはこの言葉を聞いて「芯食ったこと言ってるな〜」とひとりで感心・安心していました。

まとめ

”自治体 × eスポーツ”のように、"◯◯ × eスポーツ"の話はこれ以外にもたくさんありますが、どれをとっても重要なのはそこに本当の熱量があるかどうかだと思います。そしてその熱量に各ステークホルダーがどれだけ賛同し自分ごと化してくれるかではないかなと。泉佐野市のeスポーツ先進都市化計画におけるeスポーツ専門家としての役割は、普遍的に重要であろう”熱量”の部分を徹底的に言語化し、決して近道はないけれどしっかりと王道を突き進むことをサポートし続けることだと思います。具体的な話としては、来年から"eスポーツキャンプPlus+(仮称)"というプロのeスポーツアスリートを目指す若者の登竜門となるようなコンテンツを仕掛けるべく準備を進めています。こちらもぜひご期待ください。

特定の地域が絡むとどうしても”聖地化を目指す”という言葉を使いたくなるのですが、eスポーツ先進都市を目指した結果、周りが勝手に泉佐野のことを聖地と呼んでしまうような。そんな展開にしたいですな〜。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?