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花咲くいろはを見ました

超お久しぶりアニメくんのお時間となりました、オットセイです。
TVアニメ感想記事としては実に一ヶ月以上ぶりでございます。

P.A.WORKSお仕事シリーズ第一弾、花咲くいろはを見終わりましたので感想をば。お仕事シリーズ見るのはSHIROBAKO以来で二作目ですね。
アニメオリジナルに関わらず評価が高く、ここからPAファンになった人が多いイメージがあります。
実はこれ、春休みに見ろと友達課された作品の一つでして。
三ヶ月近くかけてゆ〜っくりゆ〜っくり見進めました。気づけば夏休みの終わりです。
アニメオタク友達くん、ここまで引きずってすまん...!

見るのに時間がかかったからといってつまらなかったわけではありません。面白かったし評価に納得できる良いアニメでした。
ただ続きが気になって仕方がねえ!勢い止まらん!みたいな要素がなかっただけです。
前評判では感動できる!泣ける!というのが多かったり、友達もこれ見ればニート根性のお前でも頑張って働こうと思うはずやと勧められたのですが、そういうアニメとは思いませんでした。

僕個人としては、ずっと見ていられる系の面白さでありながら、構成が優れていて終わりが綺麗だったアニメという評価をしたいと思います。
シナリオ云々というより日常系アニメ+αとしてとても面白かった。
日常作品の面白さはキャラクターの面白さ、このアニメの良いところは各キャラクターの良さに詰まっていたように思います。
それも、このキャラが良い!このキャラが好き!とかじゃなく、結構多めの登場人物皆が立っていてバランスも良くて、そのキャラたちの関わり合いが面白さでした。

対して、お仕事シリーズとして旅館での仕事という明確なテーマを持ち、モデルとなった聖地まで存在する作品ではありますが、その点は期待してたよりも薄かったかなと。
SHIROBAKOがかなりしっかり業界ネタとか業界ならではの出来事を中心に進んでいたので、花いろでもてっきりそういう感じなのかなと思ってたんですけどね〜。
旅館というテーマはあくまで舞台装置に過ぎず、舞台の上で動く人間模様が中心の作品でした。
逆にSHIROBAKOのキャラ同士の関わりは花いろほど親密じゃありません。仲はもちろんいいんですけれど、同僚・業界人としての仲間意識のようなものでしたから。
そこは主人公含む中心人物が高校生か社会人かの違いですかね。

こっからは構成、キャラについてさらに細かく。
ネタバレ注意で。














まずは構成について。本用によく考えられていると思います。
まさに2クールアニメのお手本のような構成ではないでしょうか。
僕はよくできた1クールアニメを褒める時に、「テンポが良い」「無駄な回が1話もない」なんてよく言いますが、良い2クールアニメの重要な要素は「1クール目と2クール目の区切り方」「過剰話数の使い方」だと思っています。

「1クール目と2クール目の区切り方」、花いろはかなり意識されて作られていると思います。
1クール目では、舞台となる湯乃鷺温泉や喜翆荘といった世界観を引っ越してきた緒花ちゃんの視点で共に学んで、入り込んでいく。
そして1クール目終盤から13話にかけて、東京のこと母のこと孝一のことで悩む緒花の気持ちに区切りがついて、松前緒花の物語は1クール目で綺麗に片付きます。そして1クールダイジェストEDへ。
ここで一度終わって1期終了でも違和感がないほどに綺麗にまとまっています。

そして2クール目では、ショートエピソードや1話完結を経てクライマックスの喜翆荘の物語へと入っていきます。
「過剰話数の使い方」はこの2クール目前半に当たりますね。
そこでしっかり本筋の話でスポットライトが当てられていなかったキャラの掘り下げをしっかりしていくと。しかも普通にそのエピソード面白いものばかりですし。
しかもショートエピソードがきちんと伏線になったりしてる部分もミソ。
1クールアニメと違ってテンポが良すぎることなく丁寧に描写することで、キャラの成長や仲良くなっていく様子を自然に見ることができるし、世界観にも入り込めます。
本当に2クールアニメのお手本でじゃないですかね。

ただ、強いて言うなら修学旅行・学祭と高校生組の話に少しだけ尺が長すぎた感はあります。
作品の核である喜翆荘から離れて独立した話になりますし、人によっては中だるみと感じたかもしれません。
僕は高校生組の関係性が好きなので青春エピソード好きでしたけどね。


して、してですね。
この作品の魅力はキャラクターいや、キャラクター同士の関係性の良さに詰まっていると何度でも言いましょう。
各々のキャラはもちろん立ってはいるんですけれど派手さや強い個性がある訳ではないんですね。
アニメ特有の華やかさみたいなものでいったらかなり抑えられている方。
仕事という題材を取り扱っている以上、等身大のキャラクターたちにされているんだと思います。人間臭いキャラが好きな僕にとっては最高です。

そんな個人では没個性的なキャラ達も、関わり合うことで強い魅力となるわけで。
特にエモさがあったのは緒花と孝一の遠距離恋愛、喜翆荘JK3人組の友情、四十万の女達の家族関係、この3つでしょうやっぱ。
緒花と孝一はこれ単体だけで一つの物語として成立しそうなほど心理描写が巧みで淡い恋模様でしたし、松前家・四十万家の話はクライマックスに持ってくるほどの大切なもの。

それでも緒花民子菜子がいっちゃん好きな関係なんスわ。青春コンプでも女の子同士の青春はバッチこいです。
まず個人として緒花と民子はありえないくらい頑固な人間なんですよね。
それでいて二人の関係は最悪な状態からスタートするわけで、何度もぶつかり合うことになります。
ここで本当に良いと思うのが、ぶつかり合いを経て手のひらを返したように距離が詰まったり仲睦まじくなるようなことがないこと。あくまで態度や表向きの関係性は最初から最後まで露骨に変わらないんです。

そりゃあそうですよ、2人とも頑固な人間なんですから芯の部分が簡単に折れるわけがありません。根本の部分は変わらないから、基本スタンスはそのままです。
それでも民子は緒花のことを間違いなく認めていっていて。
無関心から嫌悪、嫌悪から和解、和解から友情へと…その過程がたまりません。
菜子だって、初めはどっちつかずの間にいるだけだったところから、後半には自分の気持ちや思いを負けじと二人に見せるようになって、アニメを通しての成長が分かります。
それが一番感じられるのが22話で二人が取っ組み合いになるシーン。
みんな真っすぐで全力であるからこそ、真正面からすべてを曝け出してぶつけ合う。これこそが青春じゃあないですか。
個人的ベストシーンです。

キャラ関連でもう一つ付け足すと、アニメ最初のエピソードがキャラ追加というのがかなり珍しく面白いなと。
普通なんでもキャラ追加が行われるのって中盤か終盤じゃないですか。
話がダレてきたところに新しい展開をもたらすために。
それを初っ端に持ってくるってのがかなり新鮮で。
次々と登場人物が増えていく作品なら理解できますが、それ以降音沙汰なしに等しいですし。
序盤から登場していた結名とはそこまでの関係だったのに、修学旅行からぐっと距離が近づくのもリアルですよね。
割とアニメのテンプレとされる展開から外れたものが多かったのもこのアニメを安定して面白いと思えた理由かもしれません。


最後に作画について軽く。
2011年とは思えないほどよくできてますね。
キャラ作画崩れないし普通にかわいいし。

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タイトルなし

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緒花民子菜子みんなかわヨ。キャラ萌え要素も十二分にあります。
友達のが移ってPA信者になりそうです。

して、背景については相変わらずバケモノですね。間違いない強みです。
もういちいち言及することでもないレベルだと思うんですけれど。

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15話のこのシーンが、1枚絵として美しすぎて紹介せざるを得ませんでした。
これがアニメってんだから困ります。背景・影・構図全部好き。


以上感想でした。
とにかく良いアニメ、良質なアニメっていうのが総括ですかね。
思ってた話とは少しだけずれましたが期待値通り楽しむことができました。
映画もありますから見たいですねえ。もう展開見え見えの読み読みですけれど純粋に喜翆荘のその先が見たい。

次に見るアニメはな~んも考えておらんとです。久しぶりに脳死で見れるやつが見たいな。

オットセイに課金してもガチャは回せません。