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ヴァイオレット・エヴァーガーデンを見ました

こんにちは。アニメくんの時間がやって参りました。
本日は新作映画が予定されているヴァイオレット・エヴァーガーデンを見たのでその感想記事になります。
放送されていた2018年冬クールは他にも面白い作品がたくさんありすぎて、いつかいつかを続けたはずっと見ていなかったんですよね。
思い返してみれば、リアタイで無彩限のファントム・ワールドを追っていたぶりの京アニ作品となりました。そんなに長い期間見てなかったんだね…

1クールだったので3日間でサクッと。
期待値の2.5倍くらい面白かったです。
ドハマりしてやべーーーーーーとなったわけではありませんでしたが普通に名作でした。そういうタイプの作品ではないしね。
以下感想ネタバレ注意になります。











まず一番の強みであり目玉である作画から。
流石京都アニメーションブランド、作画についてはもう最強格レベルです。
新海誠のアニメーションと同じくらいのハイレベルさ。作画のタイプは違いますが、今も昔もハイクオリティで美麗なアニメーションは流石としか言いようがありません。

京都アニメーションの作画の強みは、「静」の作画の美麗さにあると思っています。
もともと取り扱う作品にアクション性が少なく動かすアニメーションが少ないのでそういうシーンが少なく「静」のシーンが大半です。
その作画が全て丁寧で美しい。どのシーンを一枚切り取っても絵になります。キャラも背景も。
動くシーンが少ないからこそ、その少ない「動」のシーンにより力を入れることができる。なので少ない「動」のシーンはめちゃくちゃ動くしこちらも強い。
今作ではヴァイオレット回想の戦闘シーンとか、中二恋のバニッシュメントした後のシーンとかがそこに当たりますね。

そんな中ヴァイオレットを見て一つ変化というか驚いたのが、背景のクオリティが明らかに跳ね上がっていること。
昔の京アニしか知らない僕にとって、京アニはとにかく全体的な作画のクオリティが高いというイメージでした。
どのシーンでも崩れないし丁寧に描き切るのが京アニといった感じ。
しかし最近の京アニは背景がめちゃくちゃ強い。背景の美麗さだけで強烈なインパクトを与えられました。
実際ヴァイオレットではその背景に力が入っているという部分を前面に押し出していましたしね。
国内最高峰のスタジオにもかかわらず進化を続けているんだなと…アッパレです。



次にお話について。
タイトルにもある通り、主人公であるヴァイオレット・エヴァーガーデンそのものの視点で描かれた彼女の物語。
そんな彼女の印象は、見た目からイメージしていたものとかなり違って1話から驚きました。

まず、思ったより喋る。
もっと無口無表情のザ・ロボットみたいな、そういうキャラクターをイメージしてたんですよ。
で実際無口無表情なのですが、思ってたよりも感情が見えるし表現されている。

そして声が高い。若い。
見た目からおとなしめかつ、そこそこのお姉さんのキャラクターをイメージしていたのでそこで少しずれが。
でもこれに関しては僕の完全な思い込みでした。
だって設定が14歳くらいだっていうもんですからそれを考えればドンピシャにあっています。
てっきり18歳くらいなもんかと思ってました。
身長高めだし、あと佇まいからそう思っちゃったんですかね。あと衣装がしっかりしていたのもありそう。
アジア人から見て白人は大人びて見えるとはよく言いますが、そいつは二次元も同じってことです。


少女兵だったヴァイオレットが戦後に手紙を代筆する自動手記人形となり、様々な顧客と関わりながら物語が進んでいきます。
3話以降は1話完結のエピソードが7話まで続くのですが、どれをとってもエピソードの完成度が高いです。
特に目新しい複雑な展開でもなく、30分に納めなければならないので厚みはありませんが、起承転結しっかりしているし、感情描写とそれに伴う作画表現の美麗さに圧倒されます。

この3~7話を見てて思ったのはヴァイオレット景色がすげー好きだなって。
灯台からの風景とか田舎の風景とか時には星を見たりとか、毎話何かと綺麗な景色を見ては心を動かされていましたし。
そういう姿を見て、1話から少しずつ少しずつヴァイオレットがどういうキャラクターなのかが分かってきます。
こいつ全然普通の女の子だなってことに。
心が壊れているわけでも感情を失っているわけでも頭のネジが外れているわけでもない。
ただ環境が悪くて、世界や感情を知る機会がなかっただけの普通の女の子なんですよ。
そんなヴァイオレットが仕事でいろいろな人と関わり、手紙を通して顧客の想いに触れることで様々な言葉の意味を知り、自分の中に取り込んでいきます。

そして8・9話。上官であり育ての親でもある少佐がKIAであることをヴァイオレットが知り回想に入ります。

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変態的な意味ではないので勘違いしてほしくないんですけど、ヴァイオレットが少佐の墓の前に立った時のこの表情、凄く興奮しました。
上手く伝えるのが難しいのですが、こういうキャラクターが感極まった時の表情って凄く惹かれるんですよね。
それが悲しみであれ喜びであれ、です。
無表情な彼女の中の絶望を描き切った素晴らしい表情だと思います。最高。

回想についてはまあ概ね予想通りなのでそんなに話すことはないですかね。
戦争の描写がかなりちゃんとしてたのと戦闘シーンの動きが凄かったってことくらい。
あとは、少佐がず~~~~~っと悲しそうな眼をしてるのが印象に残っています。
こういうキャラには浪川の声が本当によく合う。いいキャスティングだと思います。

回想が終わり、少佐の死と人を殺してきた自分が幸せになっていいのかということに悩み塞ぎ込むヴァイオレット。
心が耐えきれなくなって大声を出したり物に当たったり、自分の首を絞めるけれど…自殺まではできなかったり。
もう描写が14歳の普通の子そのもの。何も特別な人間ではないことが一番よくわかるシーンです。
この人間臭さがたまらない。やはりこれくらいの人間臭さとリアリティがあったほうがより感情移入できますから。

この二つを乗り越える要因が、ヴァイオレットがずっと書いて来たけれど、貰ったことのなかった初めての手紙を貰うというものなのですが。
正直ちょっと弱いんじゃない?って思っちゃいました。
でも人間いつかは向き合いきるものですし、これくらいのきっかけというのもリアルでいいのかなと。物語の展開としては薄い気がしましたが。
まあでも、完全に自分の過去を乗り切った!というよりかは、無理やり消化した、という表情をしていたのでそこを含めたら正しい流れといえるかも。


普通ならここで完全にクライマックスの最終回なんですけど、まだ続きます。
また1話完結のエピソードが二本入るのですが、僕が一番印象に残っていて皆さんに見て頂きたいのが10話。
この10話の何が良いかというとですね。
1-9話までも11-13話も、タイトルのヴァイオレット・エヴァーガーデンよろしくすべて彼女の視点で描かれていました。
しかし10話だけ、顧客の娘であるアンの視点なんですよ。最初からヴァイオレットが帰るまで。

このアンの描かれ方がとにかく素晴らしい。
顧客主のアンの母は病気を患っていて余命も少なく、アンへの手紙を残すためにヴァイオレットを呼びます。
もちろんそんなことを幼い娘であるアンに知られるわけにはいかないので、作業中はアンに作業室へ入ってこないように言うのですが、疎外感を感じるアンはヴァイオレットを母を自分から奪う存在だと敵視。
ここからヴァイオレットと遊んだりして打ち解けていくのですが、この時の掌返しや、自分のやりたいことを押し付けたり、ちょっと粋がったりしている生意気なところとか、面倒くさい小さな女の子そのもの。めっちゃリアルです。

しかし病状が悪化していく母を見て限界を迎えたアンは、作業室に飛び入り感情を爆発させます。
「お母さんの残された時間が少ないのは分かってるから手紙よりも私といる時間を優先して」と。
この時のアンの描写が凄く心に刺さりました。
まるで回りが見えておらず、苦しそうにする母にお願いするというよりも当たり散らすような言い方。
幼い子供が抱えきることのできていない悲しみと、その余裕のなさが見て取れます。
その場にいられなくなったアンは逃げ出し、追ってきたヴァイオレットが「小さな体で現実を受け入れているあなたは立派だと」言うとこう返します。
「そんなことはない。だってお母さんを泣かせてしまったから。お母さんの病状が良くならないのも全部自分のせいだ」と、ヴァイオレットに八つ当たりをしながら。

アンの日常シーンからこの耐えられなくなるシーンまで、等身大の子供そのものなんですよ。本当に。
正直、子供が苦手な人にとってはストレスに感じるだろうってくらいにすっっっっっごく子供の女の子をしている。
このリアルさが僕の感情移入を加速させました。一番好きなエピソード…というか、話の良さというより表現の良さにやられましたね。


その後はディートフリートと和解するエピソード。
クライマックスらしくアクションシーン多めで派手派手って感じでしたね。
11話は結構トンデモ展開でちょっと引いちゃいましたけど…
最後にヴァイオレットが初めて自分の手紙を書いて終わりです。
綺麗にまとまった風でしたけど、ぶっちゃけそんなにキリの多い終わり方だったかというとちょっと微妙。
ちょっと駆け足というか詰め込みすぎだったかな~と思いました。


最後に言いたいことが二つ。
まず曲について。
エンディングの茅原実里さんが歌う「みちしるべ」は凄く有名ですから視聴する前の前の前から知ってたんですけど、アニクラでもよく流れますし。
オープニングは知らなかったんですよね。なんなら1話2話OPなかったし新世界よりみたいにオープニングない作品なのかと思ってたくらい。
このオープニングがね。「Sincerely」がね。大好きな堀江晶太さん作曲だったんですよ。

なぜそれを早く言わない!!!!!!!!!

それ知ってたらもっと早く見てたわボケナスゥ!!!!!!
これがま~~~良い曲でしてね。
TRUEさんの力強い歌声とともに、ローテンポの曲でありながら堀江節をバチバチに感じました。
なんで知らなかったんだマジで…



二つ目。
ヴァイオレット・エヴァーガーデンは、主人公のヴァイオレットはもちろん、魅力的なキャラクターが男女たくさんおります。
男性キャラで一番好きなのは社長です。
子安の残念キャラ好き。

そして問題なのが女性キャラ。
一番好きなのはルクリアなんですけど、僕が言及したいのはそこじゃあない。

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こいつ。

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こいつ。

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こいつ。


このカトレア・ボードレールとかいう女、性的すぎませんか?????????????????????困りますお客様?????????????????????????????

中二恋のモリサマー、甘ブリのいすずさん、無彩限の舞先輩と続き…
なんなんでしょうかねマジで。京アニの生み出す巨乳キャラってなんでこんなにえっちなん?同人誌の需要を生み出さないといけない社内ルールでもあるんですかね?
ハァ~~~~~~~~~~~~~~~ホンマ。ホンマあきまへんで。ホンマ。
つまりはありがとうってことです。
おっぱいは正義。ジャスティス・ブーブス。




以上感想でした。
いつか見ることは決めてはいましたけれど、僕の好みの作品ジャンルではないので「まあ綺麗な作画が見れればええか」くらいに思っていたのですが、予想外にかなり楽しんでいて、かなりハイペースで見終わってしまいました。
その要因はキャラや話というより世界観に完全に引き込まれたのかなと。
フィクションではありますが、見た感じ時代背景的には第一次世界大戦前当たり、史実だと年代にして1880年~1900年くらいの時代設定だと思います。
近世~近代の世界史が好きな僕にとっては刺さる時代ですし、それが戦後の話と来たもんですからなお刺さる。
その世界観を、美麗に、精密に、リアルに描かれているわけですから、引き込まれるのも秒読みだったわけです。

エピソードは戦争に纏わるものが多かったですが、作画描写はあまり戦後を感じるような荒廃したものではなく、ヨーロッパ風のキレイな街並みといった感じでしたけどね。
こちらのほうが純粋に美しく映えますから仕方がないことですが、もっと戦後の暗い雰囲気があれば僕的にはドンピシャでした。

いつ見れるかは分かりませんが、外伝の映画が公開されたら見に行こうと思います。
しばらく離れていた京都アニメーションの凄さを再確認した作品でした。
あの痛ましい事件から一年が経とうとしています。
今すぐには不可能でも、いつか、いつかまた素晴らしい映像作品を世に送り出してくれることを切に願っています。
その思いも込めて、他の京アニ作品も見たいですね。
スポ根アニメとして評価の高いユーフォを今度は見ようかな。

オットセイに課金してもガチャは回せません。