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思いの大切さ

 自分もそれなりの年齢になり、仕事の役職も増えてきた。役職につくと「意見をまとめる」という作業が多くなる。役職が何も無い時は意見は言っておけば良いもので、会議が終わると「スッキリした。」で終わる。しかし、役職についていると会議が終わってからが本番である。それらの意見をまとめて行かなければならない。


 それはさておき、皆の意見を聞く立場になると、多くの人が自分の思いを持って仕事をしていることに驚く。世間では、「やる気がない」とか「覇気がない」という人が多くなっていると言われているが、最低でも自分の周りには自分の分野には一家言ある人ばかりだ。「簡単に今やっていることを教えて」と言っても、大体は話しが長くなる笑。

 自分の仕事にプライドを持つのは良いことだ。プライドを持つからこそ、向上心が生まれる。プライドを持って何かに取り組んでいる人の側にいると、自分にはそんなに変わらないと思うほどの微妙な違いにも目を光らせる姿を見るが、「こんなに自分がこだわることは何かあるかな?」といつも反省させられる。しかし、プライドを持ちながらも他者の意見も聞き、時には自分の意見を曲げることも必要だとは思う。そうでないと、結局ただの独りよがりになってしまい、後ろを見たら誰もついて来ていないということになりかねない。

 最近の教育業界は「話す技術」「プレゼン資料を制作する技術」など、とりわけ技術論に走りやすい。新設校もその「技術」ということを大きな売りにしているところが多いように思う。そういうところが人を集めているのだから、世間に必要とされていることなのではあろう。

 しかし、「技術」というのは進化するし、自分が本気でそれを望めば提供されなくても学べる環境はいくらでもある。それよりもその個人が心の奥底に強く持つ「思い」を育てる方が重要に思える。

 授業でプレゼンテーションをさせる機会が最近は多くなっているが、一番強く伝わったと感じたプレゼンテーションは一言一句欠かさず綺麗に話せたものではなく、自分が一番伝えたいことを強く訴えたものである。

 ここで肝心なのは、プレゼンのテーマに自分があまり関心がない時だ。世の中には自分が売り込みたいことに自分の思い入れはあまりないということはよくある話しだ。そんな時の心の持って行き方、心の入れ方というところがまさにプレゼン最大の技術ではないかと思う。

 「しっかり話さないと相手に伝わらないのではないか?」と心配する人は多いが、自分の経験上しっかり話せなくて、思いが伝わればあとで直接内容を聞いてくる。そもそも与えられた時間で自分が売り込みたいこと全てが伝えられるなんてまずあり得ない。要はプレゼン時間終了後にいかに自分に興味を持ってもらうか。良いプレゼンとは、試合終了後に自分のところにアクセスさせることができたプレゼンなのだと思う。



世界を旅するTraveler。でも、一番好きなのは日本、でも住みたいのはアメリカ・ユタ州。世界は広い、というよりも丸いを伝えたいと思っている。スナップシューターで物書き、そうありたい。趣味は早起き、仕事、読書。現在、学校教員・(NGO)DREAM STEPs顧問の2足の草鞋。