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健康維持も仕事の一つ

 多くの人がそのありがたさに気づかないのが健康。日本人はとりわけ自分の体を酷使することを美徳とする文化が根強いように思う。「〇〇さんは頑張っている。」「今日は○時間しか寝ていない。」そのような言葉をそろそろ我々は卒業しなければならない時に来ているのでは無いだろうか?

 見つけたのが健康寿命に関するデーター。平均寿命が日本人は世界の中でも長いということはよく知られた事実である。健康寿命とは医療や介護に依存せず、自分自身で生命を維持できるという年齢である。

 幸いなことに2019年のデータによると日本人の平均健康寿命は73.55歳でシンガポールに次いで世界第2位。健康で長く生きられるということが人口1億人そこそこの国なのに世界トップクラスの経済大国を維持している要因なのかもしれない。ちなみに健康に煩そうなアメリカは66.12歳とランク外。一部の人間は健康であるが、多くの人は高カロリー食で体を蝕んでいる様子が窺われる。

 私が再三に渡りここで訴えている人口減の脅威に当てはめると、日本がこれからも世界の大国として残り続けるためにはこの健康というものを度外視できない。長く健康で働けることが日本人最大の特徴というのであれば、これからはさらに国民の健康寿命を伸ばすように取り組んでいかなければならないであろう。

 最近知ったのだが、アマゾンの成功の裏には創設者ジェフ・ベゾス氏の超長期的目線による経営の効果だったということである。数年ではなく数十年単位で物事を見れば成功できることは多い。これまで日本はとにかく受注し、労働者をできるだけ長い時間働かせて質の良い品を世界に対して提供し続けるという短期サイクル経営だった。しかし、ファストリテイリングに代表されるように今の世界は残念ながら低コストでそこそこの製品で満足するよう人々のマインドが変わりつつある。このコロナで倒産した会社の多くはブランドショップだ。

 このような時代の転換が訪れている中で、いつまでも高品質商品にこだわり、労働者を使い捨てのように扱い続けて良いはずはない。「日本製は良いけど高いよね。」では世界から見向きもされなくなるのは目に見えている。日本人最大の特性を今後も世界に発信するためには、健康で長生き、そしてソニー、パナソニック、トヨタなどのように世界を一変させるような商品を生み出し続けた「クリエイティブ」な発想だ。それらの特性をもう一度呼び起こし、世界でのプレゼンスを高める方向性を日本の企業は打ち出していくべきであろう。国民の健康維持に力を入れるということは日本自体を救うことなのである。


世界を旅するTraveler。でも、一番好きなのは日本、でも住みたいのはアメリカ・ユタ州。世界は広い、というよりも丸いを伝えたいと思っている。スナップシューターで物書き、そうありたい。趣味は早起き、仕事、読書。現在、学校教員・(NGO)DREAM STEPs顧問の2足の草鞋。