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身近な貧困問題

 私立という恵まれた学校にいると生徒たちの経済感覚に驚かされることがある。その典型的な発言は「日本に貧困問題はない。」である。それはうちに限った話しではなくどうやら日本の学生の中にはこのような認識でいる人は多いようだ。

 かくいう私も流石に17歳以下の子どもの貧困率が13.5%もあり、約7人に1人が貧困状態にあるということは知らなかった。自分の知識不足を恥じるばかりである。

 日本に貧困がないと思われている最大の理由として貧困と言えば1日$2以下で暮らす開発途上国の子どもたちのイメージが強いからかもしれない。ちなみに、1日「$2以下で生活できるか?」という問いに対して「自分はいつもお金を使っていない。」という返答が返ってきたりもする。電気、ガス、水道、衣服、これらを文字通り湯水のように親から提供されているので経済感覚が麻痺してしまっているのかもしれない。

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 上記の写真はアフリカ・ルワンダで撮影したまさに1日$2以下で暮らしている家庭のキッチンの様子である。

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 そして後ろの家は訪れた日の少し前に近所の人たちと一緒に作ったらしい。それでも家族皆で楽しそうに笑顔溢れて暮らしているのだから何が幸せなのか考えさせられる。ちなみに、シャワーは雨水をためて浴びているとのことだ。

 それはさておき、この1日$2以下で生活する貧困層を絶対的貧困と呼ぶ。そして、国の経済レベルに追いついておらず生活に困窮している貧困層を相対的貧困と呼ぶ。日本で見られるのはこの相対的貧困の方だ。

https://heikinnenshu.jp/tokushu/lowincome.html

 どうやら年収300万円以下の世帯を低所得家庭と呼んでいるようだが、なんと労働人口の4割以上がこれに該当するらしい。一部の富は全て富む者へと流れる構図が日本でも定着している様子が窺われる。

 公教育は無料だし、そこで頑張れば良いではないかという意見も聞いたことはあるが、そもそも周り全員が勉強などしてこなかった環境だったり、毎日お腹をすかして集中できない中で勉強して上を目指すなど小説の世界か、余程の覚醒的な人間でない限りは不可能だ。生まれた環境が人生を左右してしまうのは事実としてある。そもそも勉強しようとすると酔っ払ったら親父から暴力をふるわれるという話も聞く。思ったよりも単純ではないのだ。

 まずは何よりも食である。子ども食堂の取り組みが全国的に認知されているのと、日本は現在このような経済状況ということから全国で利用者は増えているとのことだ。コロナで子ども食堂が閉鎖され、多くの利用者が困ったという話しは皆さんも聞いたことがあろう。

 個人的には自分の環境が整ったら取り組みたい課題の一つである。例えば、格安スマホを配布し、企業から協賛金を頂きオンライン塾を開くとか、親への子育てセミナー開催とか、英語ができると仕事の幅が広がるので英語レッスンとか。。

 いずれにせよ、多くの人たちがプレイヤーか支援者として参加しないとこの問題の解決は難しい。しかし、人的、金銭的支援があればアイデア次第で解決に導ける問題とも言える。まずは「日本にも貧困問題はある!」これを多くの人に認識して欲しいと思う。

 

世界を旅するTraveler。でも、一番好きなのは日本、でも住みたいのはアメリカ・ユタ州。世界は広い、というよりも丸いを伝えたいと思っている。スナップシューターで物書き、そうありたい。趣味は早起き、仕事、読書。現在、学校教員・(NGO)DREAM STEPs顧問の2足の草鞋。