台風

昨年秋の台風の時、数年ぶりに雨戸を引いておこうということになった。
我が家は築60年で、強風はある意味「恐怖」でもあった。
いつもは父親がしていたのだが、高齢ということもあり、私が雨戸を引くことになった。
戸袋を開け、少し動かしてみて、なにかいやな予感がした。
蜘蛛の巣やほこりもあった。
東側の雨戸は特に問題はなかった。
南側の雨戸に手をかけた途端、それなりに力を入れなければ動かない。
四枚のうちの二枚目までなんとか閉めることが出来た。
問題は三枚目だった。
半分ぐらいまでの所で、まったく動かなくなった。
今度は、私はあきらめて元に戻すことを試みた。
元にも戻らなくなった。
その夜、その中途半端な場所で雨戸がとまった状態で、無事に台風が通過してくれた。
台風が去った後、メタボ気味の私は体当たりで元に戻すことに成功した。
人間と一緒で、雨戸も年齢を重ねることは当然だ。
建具屋にみてもらったが、修繕不可能と言われ、あっけにとられた。
次の強い台風に向けて、戦々恐々としているのである。

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