羊の毛刈り シアリング
今回は羊の毛刈りについて。このnoteを書いている時期が4月なのでちょうど毛刈りの時期という事もありこのテーマにしました。
羊の毛刈りは年に1度行われます。寒い冬が終わり、暑い夏を前にしたこの時期が羊にとって毛刈りに最も適しています。ちなみに日本ではこの時期に毛刈りが行われますが、羊がたくさんいるオーストラリアでは日本と季節が反対なので9月~10月頃に毛刈りが行われます。
毛刈りを行う理由は二つあり、一つは羊毛を得る為。もう一つは羊の健康の為です。羊を含む多くの動物は毛が生え変わります。ところがメリノ種と呼ばれる羊たちは高品質な羊毛を安定して取れるよう品種改良された羊です。自然に生え変わるという事はありません。その為人間が刈ってやらなければなりません。もし毛刈りをせずに放置しておけば熱がこもって体調を崩したり皮膚病などの病気になりやすくなってしまいます。
毛刈り作業は非常に重労働でオーストラリアの毛刈り職人はアスリート並みの体力が必要とされます。昔は専用のハサミをつかって1頭に1時間以上かけてコツコツと刈りましたが現在では専用のバリカンが主流となっています。1頭にかかる時間は作業に慣れた職人がやっても20~30分程度。
賃金も出来高制なので1頭刈ればいくらという具合なのでスピード勝負になります。ちなみに羊の毛刈りの王者という愉快な商号をもつオーストラリア人のイアン・エルキンス氏はバリカンを使用して1頭当たり約3分という神業をもっているそうです。刈られた羊毛は全て繋がっていて羊の形をしています。まさに職人技ですね。
羊の中には混乱して暴れまわることも多く、それを押さえながら刈るのがとてもたいへんです。しかしそんな羊も毛を刈り終えたらとてもスッキリした見た目になりますし、何より羊自身もどこかスッキリしているように感じます。人間が散髪をしてさっぱりするのと近いものがあるのかもしれません。日本国内の各地の牧場でも羊の毛刈り体験ができるイベントが企画されています。この時期は暖かく自然とふれあうのも気持ち良いです。興味のある方は一度行ってみてください。
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