世界観や雰囲気をリスペクトした同人小説の書き方②


また余談から始めさせて頂きたい。

そもそも原作ってパクっていいの?海賊版じゃない? 的なことを言われる可能性を踏まえて先に記しておきたいのだが……(以前にそんなようなコメントを貰ったことがあるので)少なくとも私は原作はパクってないです! あくまで世界観・雰囲気のリスペクトである。二次創作である。(原作沿いを書く時もあるが、極力原作そのもののシーンは省き、オリジナルや改変を加えた部分を書いている)

私が今まで扱ってきた作品は元が漫画や映画、アニメであり、原作が小説ではないのだ。これが絵になってくると、原作と絵がそっくりすぎると色々問題になるかもしれないが、文章となるとそこのとこはどうなんだろう。よく分からない。そもそも二次創作自体がグレーゾーンであるからして、これに関しては我々が議論しても泥沼化するのみと思っている。

そもそも原作では〇〇と××はデキてないし、夢ヒロインなんていない。

これに関してはまた別の記事でコツとしても解説するが、読者の中の原作への世界観が上手いこと重なりすぎると、よくよく考えれば全然原作とは違うことが起きているのに「原作っぽくない?」と良くも悪くも思われてしまうのである。これは読者による脳内補完によって起こる現象なのだが、これに関しては感性の問題なので非常に難しいところだ。

さて、保身のための余談はここいらで終わらせ、次のコツについて見ていこう。

2⃣原作のお笑いを見極める

これも原作の世界観をリスペクトするのにとても大切なポイントだと個人的に思っている。

作者には作者の、脚本家には脚本家の、監督には監督の、その作品に対してこだわった価値観がある。それが顕著に、分かりやすく現れるのがお笑いポイントだと個人的には思っている。

例えば銀魂やワンピースは誰がひとりのキャラが一方的にツッコまれたり、ツッコんだりはせず、全員がその時々によってどちらの立場にもなるように描かれている。このパワーバランスについてもまた詳しく別に書いていきたいが、とにかく誰が笑いを取るか、どんな笑いを取るか、が注目すべきところだ。

少年漫画なら少しエッチなギャグシーンもあるだろう。逆にオシャレな洋画ならそういった笑いはなく、ウィットにとんだジョークが入っている場合もある。そういったものを見極めてゆくと、自ずとキャラクターの性質も見えてくるのだ。

そもそも読者である我々がそれに”笑った”だけで、その世界観で生きる人々は大概が真面目に何かしているわけである。何を思ってそう言った、行動したのか、何を思ってそれを否定したり、ツッコんだりしたのか。そこからキャラクターの考えかた、ないしは先生の考え方もなんとなしに見えるような気がするのだ。

私は女性なので、特に女性に対してセクシャルなお笑いは色んな意味で気にかかる。時代も進み、これから先はコンプライアンスもあるだろう。少年漫画はまだまだそういったもので笑いを取ることもある。その中でも絶対に女性にそう言わないキャラクターもいるだろう。それがそのキャラの個性だ。ないしはそういった笑いが作品そのものにないのであれば、先生がそういった笑いはやらないと決められているのではないかと私は感じるのである。

もちろん、そのキャラクターのお笑いがどうしても好ましくないのならば、それを省くのも手だ。私も原作が少年漫画でセクシャルな笑いが入ってても、私の作品を読む人は大概が女性なのと、私自身が気にかかるのとで、そういった笑いは自分の中で基準を決めて、時には省いて二次創作をしている。表現の自由は誰にでもあるしね。

そもそも、何故”原作”のお笑い(価値観)にこだわったほうがいいのか?

簡単である。そのジャンルの二次創作を探している人は、そもそも原作が好きなのだ。ということは、原作の価値観に共感性があった可能性が高い(もちろんそうでない人もいるだろうがいちいち補足していたらキリがないので、大部分ということで読んでいって欲しい)。だから、好いてもらいやすいのだ。

はい、ここでしつこく繰り返しますが。

好いてもらうことを一義に同人活動したらツラくなるよ!!!自分が楽しいと思ったもの、自分が笑えると思ったものを書けばいいんだよ!!!

私の場合、十五年間書き続けてこの書き方が結局は好きだと落ち着いたのです。私の場合はもうほぼ無意識に原作の雰囲気や世界観を作品にぶち込みたくてたまらなくなっているのです。「こういう感じ良くない?」「こうだったら最高じゃん!!」「沼れ!!!」「自ジャンルに引きずり落としてやる!!!」そういう気持ちで、もちろん共感もして欲しくて書いてはいますが、とにかく最初に私が一番楽しいわけですね。私の楽しいと皆さんの楽しいが上手いことリンクしてくれた時に、いいねがもらえたりするんだろうなと思っています。

まぁ~日本のお笑いはまだ時代遅れな面も多いですし、まだまだ差別的なものが多いのも現実です。テーマからは少しずれますが、その笑いが人を傷つけないかというのも多少なり意識しても良いのではと思います。良くも悪くも所詮は二次創作ですからそんなところまでこだわる必要はないのですが、こだわりが無意味ということもないと私は思います。ここらへんは二次創作だけにとどまらず、これから色んな人が考えて判断していかなきゃならないところですよね。

繰り返しますが、作品にはそれぞれのお笑いスタイルがあります。例えるなら原作者がお笑い芸人ネタが作品(そのまんまだ)。オードリーのお笑い、ノンスタイルのお笑い、千鳥のお笑い、そんな風にお笑い芸人の方々にもお笑いスタイルがあるように、大抵の作品にはそれが存在するのです。(お笑い要素が一切ない作品もありますが、私があんまりそういったジャンルに沼ったことがない……)

その感覚がなんとなく掴めると、その作品の世界の価値観みたいなのがなんとなく擦り合うかもしれません。意識してみるといろいろ見えてきて面白いですよ。

はい。後半がなぜか敬語口調になってましたが、とにかくそういうことです。

次の記事はこちら https://note.com/worldescaper/n/n33ae4df430bd

【引鉄が書いてる二次創作は支部にあるよ】https://www.pixiv.net/users/4048940

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?