ボリビア大統領選挙 なぜアルセ候補は当選する事ができたのか(後編)

こちらは後編です。前編を先に見る事を
おすすめします。
→https://note.com/worldelection/n/nbb7654278f35

前編では大統領選挙の経過についてお届け
しました。後編ではいよいよなぜアルセ候補が当選出来たのかを考察してみます。

【注意】後編の内容は私の個人的な考察です
この記事の内容が真実とは限りませんので
ご了承ください。

私がアルセ候補を勝利に導いた要因は主に
3つあると思いました。それが…

1、反アルセ候補の分裂
2、先住民の票の行方
3、ボリビア国民の反米意識の上昇

1、反アルセ候補の分裂

1番の要因はこれでしょう。
モラレス前大統領の後継候補だった
アルセ候補。彼はボリビアの左派勢力を
1つにして大きな塊をつくりました。
しかし反アルセ陣営は中道から右派まで
複数の候補が立候補し、分裂しました。
反アルセ陣営の候補者は

メサ候補(中道)
カマチョ候補(右派)
チ・ヒョン・チョン候補(中道右派)

と3つに分裂していました。
メサ候補はカマチョ候補に対して立候補の
取り下げを要求していたのですが、拒否
されていました。やはり選挙は分裂しては
勝てないという事でしょうか。

2、先住民の票の行方

ボリビアでも世論調査が行われていました。
その世論調査では、アルセ候補とメサ候補の
大接戦が予想されていてました。
しかし実際はアルセ候補の圧勝。
事前の世論調査が大ハズレとなった要因が
先住民族の存在だと考えます。
ボリビアの正式名称は「ボリビア多民族国」
と言います。多くの民族が暮らしている事がわかると思いますが、その中でも先住民族は
大きな存在です。
モラレス前大統領は先住民族の大統領でした
そのため、先住民族に対しても融和政策を
とり、先住民から大きな支持を得ていました
その後継候補のアルセ候補は当然、先住民
から支持を受けるでしょう。
しかし、途上国の世論調査はほとんど都市部で行われており、地方の状況までは把握
出来ないのが現状です。そのため地方に
多く住んでいるアルセ候補の大票田を調査
では調べきれなかったのではと考えました
都市部でもリードしていたアルセ候補
ですからそこに大票田の先住民族が地方から
加わると圧勝できたのにも頷けます。

3、ボリビア国民の反米意識の上昇

※ここは特に個人的な考察が強いので
注意です!
アルセ候補率いる社会主義運動は反米政党
です。その社会主義運動は大統領選挙と同日に行われた議会選挙にて、上院下院両方で
過半数を獲得しました。

画像1

社会主義運動のロゴ

今世界では中国とアメリカが覇権争いを
繰り広げています。そんな中でアメリカと
しては豊富な資源を持つボリビアで反米政権が誕生するのは阻止したかったはずです。
昨年の軍事クーデターはアメリカが深く
関わっていたと言われています。
そんな中、親アメリカだった暫定政府は
先住民に対して差別的な政策をとったり
国内の分断を深め、経済を停滞させました。
さらにアメリカ本国ではトランプ大統領が
かなりめちゃくちゃになっている中で
その様子を見たボリビア国民に反米意識が
高まったのでは?と考えました。
ただし、アルセ候補は反米色を全面には
出していないという事を補足しておきます。

画像2

今回の、取材?ではボリビアのTwitterを
たくさん見ました。その中でアルセ候補を、応援していたアカウントがアルセ候補の
勝利後にツイートした内容が印象深かった
ので記録しておきます。

私たちはメサ(対立候補)に勝ったのでは
ない。私たちを絶望に追い込んだアメリカに
勝ったんだ!

終わりに

個人的にアメリカ大統領と同じくらい注目
していた選挙でした。予想外の結果でしたが
見ていて本当に面白い選挙でした。
今年も残り少なくなってきましたが、
注目選挙はいっぱいあります。
やはり1番はアメリカ大統領選挙でしょう。
私もボリビア大統領選挙が終わったので
ここからはアメリカ大統領選挙をさらに
集中して見ていきたいです。
また、世界だけではなく日本の選挙も
さらに詳しく見ていきます!
最後まで見て頂きありがとうございした!