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Wengen(SUI)ウェンゲンってどんなとこ?

アルペンスキーワールドカップが毎年開催されているWengen(SUI)ウェンゲン。クラシックレースと呼ばれる伝統的なコースの一つです。

注目ポイント盛りだくさんのコースを紹介していきたいと思います!

2023-2024シーズンも、以下の種目で開催予定です。
2024年1月11日(木)13日(土)滑降(ダウンヒル・DH)
2024年1月12日(金)スーパー大回転(スーパーG・SG)
2024年1月14日(日)回転(スラローム・SL)

2023-2024シーズンのスケジュールはこちらの記事でも紹介しているのでぜひ読んでみてね。

どんな場所?

スイス中央部のベルナーオーバーラントの山村に位置するウェンゲン。ウェンゲンの地図がこちらです!

ここは、環境保護の観点でガソリン車の乗り入れを禁止しているリゾートです。車で来た人は、麓のラウターブルンネンにある大型駐車場に車を置いて、ヴェンゲルンアルプ鉄道に乗り換えてアクセスするそうです。

そのため、交通騒音が軽減されて村全体に静かな雰囲気が生まれ、豊かな自然が守られています。

その自然豊かな風景は、アニメの名作『アルプスの少女ハイジ』のオープニングシーンや、映画『ロード・オブ・ザ・リング』の原作、トールキンの『指輪物語』で妖精族(エルフ)が暮らす谷の舞台にもなっています。

同じスイスのワールドカップ開催地であるAdelboden(SUI)アーデルボーデンへは、南西へ車で約1時間くらい、Zermatt Cervinia(SUI)ツェルマット チェルヴィニアへは、南へ車で約4時間くらいの位置です。

公式HP

Grindelwald - Wengenグリンデルワルト-ウェンゲンスキー場の公式HPがこちらです。

リフト券は、1日~7日券までと種類がたくさんあります。大人1日券で75スイスフラン、日本円で約12,800円くらいです。(2024年1月現在)土曜日は、大人がリフト券を購入すると子供が無料のようです!ファミリーにやさしいスキー場ですね!

ひとつのリゾートにGrindelwald - Wengen グリンデルワルト-ウェンゲン、JUNGFRAU SKI REGION ユングフラウスキー場、GRINDELWALD-FIRST グリンデルワルト・ファースト、MÜRREN-SCHILTHORN ミューレンシルトホルンと4つのエリアがあります。

スキー場マップ

21リフト、61スロープ、104kmのコースを有する、Grindelwald - Wengenグリンデルワルト-ウェンゲンのスキー場マップがこちらです!

4つのエリアすべてでは、82リフト、271スロープ、429㎞もコースがあって長期滞在でも楽しめそうです!

どんなコース?

ここでのレースは、1930年から開催されていて、長い歴史があります!

また、アルペンスキーワールドカップで最も長い 4km超というWengen(SUI)ウェンゲンの滑降(ダウンヒル・DH)コース!

2分を超えるコースは他にありません。トップレーサーでも約2分半!体力と持久力が必要です!

さらにものすごい数の観客が名物でもあります。ゴールエリアはもちろんですが最初の難所であるMinschkanteヒネチカットのターンのところので反対側の山が真っ黒になっているのが映ります。

真っ黒の正体は観客!真っ黒になるほどお客さんがいて、反対側の山から大歓声が聞こえるんです!

どんなコースなのか見ていきましょう!

大会公式HP

ここWengen(SUI)ウェンゲンのレースは、Lauberhornラウバーホルン大会と呼ばれています。大会公式HPはこちらです!

滑降(ダウンヒル・DH)開催コース

アルペンスキーワールドカップで最も長いコースのWengen(SUI)ウェンゲンの滑降(ダウンヒル・DH)コース!

天候などによってスタート地点を下げて開催されることも過去に何度もありました。

それによって有利、不利になる選手も出てきますから、スタート地点がどこになるのかも注目ポイントです。

コース概要
スタート地点:標高2,315m
ゴール地点:標高1,287m
全長:4,270m

めちゃくちゃ長いです!ワールドカップの他のレースでもこれほど長いコースはありません!

コースガイドがこちらのページで紹介されています。

スタートして平坦なコースを滑り下りて最初のジャンプ、Russisprungロシアンジャンプを通過するとコースがとても広くなります。

広いので見た目ではあまり速さを感じないですが、ここでスピードは約150kmにも到達します。トレーニングでもここまでスピードが出ることはあまりないようです。

そのスピードのまま、右に大きくカーブし、すぐに左ターンをしてからやってくる難所、ワールドカップで最も入口が狭いジャンプと言っても過言ではない、名物のHundschopf フントショッフのジャンプ!岩だらけで、このコースで最も急な斜面です。

Lauberhornrennen公式Instagramのこちらの動画でHundschopf フントショッフのジャンプのセクションが紹介されています!岩だらけで狭いのがよくわかります。

ジャンプのあとすぐにMinschkante ヒネチカットと呼ばれるターンに入りますが、そのあと平坦な廊下に繋がっていくため、ここが上手くいくか否かで大きくタイム差が分かれる箇所です。

そしてこのコース最大の難所である、Kernen-s ケルネンエスと呼ばれるターン!ここは平坦ですが100km前後で入ってきて大回転(ジャイアントスラローム・GS)のようなターンをしなければならず、かなり難しい箇所。しかも幅わずか3メートルとめっちゃくちゃ狭い!曲がり切れなくて壁にクラッシュしてしまうのではないかと思うほどで、観てるだけでも怖いです!

ケルネンエスを上手く曲がり切るために、多くの選手たちは入口でわざとスピードを落とすために小さなターンやボーゲンなどのチェックを入れることが多いです。ここのターンの処理で大きくタイム差がつきます。選手たちがチェックを入れるか否かも注目ポイントです!

Lauberhornrennen公式Instagramに投稿されている、こちらの写真がケルネンエス。平坦ですが、この狭いところを100km近いスピードでターンすることを考えると恐ろしいです。

そのあと名物のトンネルをくぐり、平坦なコースが続きます。ここは選手の技術はもちろんですが、マテリアル、スキーメーカーの戦いにもなります。その日のコンディションに合ったスキーのチュンナップが出来ているか否かでスピードに大きな差が出ます。

Langentrejenランゲントライエン の平坦なコースではかなり体力勝負になります。ここでスタートしてから1分半以上が経過して疲れを感じ始めたころにクラウチング姿勢での滑走で、さらに疲れがたまります。

急で、長く、暗い中でトップスピードを時速140km以上、最速で160 kmにまで上げるセクション、Hanneggschuss ハンネッグスシュスを通過して、Silberhornsprungシルバー・ホーン・ジャンプに入ります。

かなり脚にきてるところで登場するのが狭い難所、Wegscheideウェグシャイド。日陰になっていて壁に向かってターンしていくようなセクションで、脚が燃えているところで勇気がいるターンが求められます。

最後の難所は、Ziel-s ジーエスエルと呼ばれている、日陰のかなり硬いバーンで大回転(ジャイアントスラローム・GS)のターンをしなければいけません。ここのターンも上手く処理できるか否かでタイム差がつく箇所でもあります。

そしてゴール地点。ゴールゲートの片側に支柱がないのが、このWengen(SUI)ウェンゲンのコース。ここでは、これまで何人もゴールゲートに激突して大怪我をした選手がいたため、安全性を考慮してこのようになっています。恐ろしい・・・。

ゴールした選手たちは、脚が燃えるようだとみんな言います。繰り返しになりますが、滑降(ダウンヒル・DH)のレースでは、2分を超えることは他にはありません。

2021年のレースで初めてウェンゲンのフルコースを滑ったマルコオデルマット。ゴールして疲れて倒れ込んで起き上がれなかったほどです。

その時のレースについて自身のInstagramに投稿してくれています。3枚目の写真に倒れこんでいるところを載せてくれています。

ターン技術、スキーを滑らせる技術、ジャンプ技術、体力、マテリアルの雪へのマッチング、すべてが上手く行かないとここでは勝てません。

滑降(ダウンヒル・DH)で履くスキーは、他の種目より長いものです。その長くて曲がりにくいスキーで高速の中、ケルネンエスのような難しいターンをしなければいけません。

ダウンヒルレーサーがここで勝つことが何よりも価値があるというのが、よくわかります。

コースが長いので注目ポイントもたくさんありますが、観ててもとても楽しいレースです!

スーパー大回転(スーパーG・SG)のコースは、スタート地点を下げた箇所になります。名物のHundschopf フントショッフのジャンプのすぐ上のあたりにスタートハウスが設けられます。

回転(スラローム・SL)開催コース

回転(スラローム・SL)のコースも見ていきましょう!

コース概要
スタート地点:標高1,475m
ゴール地点:標高1,285m
全長:644m

スタートして急斜面、緩斜面、急斜面、短い緩斜面、ウェーブ、平坦、と斜面変化が多くて、斜面のねじれもあるのが特長です。

ここWengen(SUI)ウェンゲンの緩斜面は、ほんとに平坦なのが映像でもわかります。そのため、緩斜面に入る前でミスをしてしまうと大きくタイムロスをしてしまいます。

ウェーブの箇所も立つセットによってかなり難易度が変わってきます。セットと斜面変化をどう攻略してくるのかが注目ポイントですよ!

Lauberhornrennen公式Instagramのこちらの写真に回転(スラローム・SL)のコースのゴールエリアの写真が載っています。

過去レース

長々とコースを紹介してきましたが、映像でみるのが一番わかりやすいと思います!

昨シーズンのハイライトが公開されていなくて、2021-202シーズンの過去レースのハイライトがFIS Alpine公式YouTubeで紹介されていますので、こちらでコースをチェックしてみてくださいね!

回転(スラローム・SL)のレースはFIS Alpine公式YouTubeでは、昨シーズンのハイライトはなく、2020年のレースですが、優勝したClement Noel(FRA)クレメント・ノエルの滑りが紹介されていました。

2022年に回転(スラローム・SL)でLucas Braathen(NOR)ルーカス・ブラーテンが1本目29位から優勝するというアルペンスキーワールドカップ史上最大の大逆転劇がおきたのが、ここWengen(SUI)ウェンゲンのレース。

滑降(ダウンヒル・HD)もアルペンスキーワールドカップで1・2位を争うくらい注目のレースですし、今シーズンは2021年ぶりにフルコースで開催されるのかも注目したいですね!

Lauberhornrennen公式Instagramでコースづくりの様子が投稿されていますが、雪は十分ありそうです!

滑降(ダウンヒル・HD)も回転(スラローム・SL)も目が離せないレースになりますね!日本でも放送予定がありますから、ぜひみんなで応援しましょう!!


この他にもアルペンスキーワールドカップについての記事を投稿しています!マガジンにまとめているので、こちらもぜひ読んでみてね。

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