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小野寺史宜「モノ」日本初のモノレール小説!?

日本初の「モノレール」小説!!
作者の名前にも覚えがなく、初めて読む人かと思って調べると、女性タクシー運転手を描いたお仕事小説を始め、数作品を読んだことのある人。最近はすっかり物忘れがひどい、まずい・・・
しかも、書影からなんとなく児童小説かと思い読み始めたら、全くそんなことはない。羽田と浜松町を結ぶ東京モノレールを題材とした立派な大人向きの短編連作。
最近は企業や自治体が製作費を提供し、その企業・自治体にちなんだドラマを作ることが流行っている。ドラマの制作費がガクッと下がり、しかも数多の作品が作られているのでドラマ制作のハードルが下がっているからだ。同じ流れで、企業が資金を提供して小説にしたものも目にする。あるデパートを舞台に限定した短編集とか、ある健康食品をテーマとした小説とか。この小説もそんな営業案件かと思ったが、どうもそうではないようだ。作者が「ぜひ」と望んで書いた小説なのだ。
だからモノレール愛が詰まっている。モノレールラブなのだ。

東京モノレールを舞台としたドラマが作られることになり、プロデューサーと脚本家が取材に訪れる。そしていろいろな施設を取材する。各章はその取材相手を主人公に展開していく。そしてその中でモノレールの魅力が語られていく。なかなか巧い作りだ。
そして放送されるドラマも最後にきちんと紹介される。
モノレールのことも知ることができ、しかも楽しい。モノレール小説、バンザイ!
<8月上旬発売予定>

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