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「NHKスペシャル 調査報道・新世紀 File3 子どもを狙う盗撮・児童ポルノの闇」

前後編2週にわたって放送された。前編は未成年者をターゲットとしたSNSコミュニティを扱い、後編では児童ポルノの売買を仲介するアプリを扱う。

特に後編は興味深かった。
「アルバムコレクション」という動画販売のアプリが児童ポルノの温床になっているという実態を追ったドキュメンタリーだ。購入者は160円を支払うと一時的なパスキーをもらえ画像や映像を閲覧できる。投稿者にはそのうち15円が支払われるという。そこで扱われているのが児童ポルノということだ。
パスキーの有効時間は短く、追跡できない。このアプリ自体は3代目で、1代目、2代目のユーザーは児童ポルノ禁止法で逮捕されていて、その度にサービスが終了し、権利が転売されてきた。
関係する運営の日本人は、巨万の富を得て海外に移住している。その1人として罪に問うことはできないのが現状。
ならばプラットフォームの責任はどうか。
プラットフォーム企業には全く罪悪感はない。利益追求の企業なのでそれも仕方ない。それが資本主機なのだから。
前にFacebookに有名人を語る怪しい投資広告が多く掲載されたことがある。その時にネットのファクトチェックに関するシンポジウムである専門家が言っていたのは「プラットフォームは追求型の企業なので、不利益になる行動を自ら起こすことはない」ということ。しかも「極東の日本は対処する優先順位が低い」とも。なのであんなにあっても放置されていたというわけだ。
しかしずっと放置しているわけではない。企業にはレピュテーションリスクがある。これ以上放置すると企業にリスクが生じるという限界には、バッサリと処置を施す。
プラットフォームに億単位の利益を生んでいた児童ポルノの温床「アルバムコレクション」もひっそりと削除されたとのことだ。
結局のところ、プラットフォームが私企業である以上、性善説は期待できない。

児童ポルノ、流失したポルノ画像などは、デジタルタトゥーとして永遠に残り続ける。
つまり、「撮らない」「撮らせない」という手段でしか防ぐことはできないということだ。
番組には画像流失した女性が証言していたのでそんな結論は言えなかったであろうが、それしかないとつくづく感じた。

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