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映画「ゴールド・ボーイ」けっこうしっかりとしたノワール作品

この映画、なぜか子供が友達に誘われ、ほぼ公開と同時に観に行った作品。「割と面白かった」評価だったので何となく気になっていたが、公開規模も小さく、結局観に行かないままだった。
配信で観るチャンスがあって気になって観たが、これが想像以上に面白く、しっかりとした暗黒映画だった。

映画の成り立ちはチョット複雑。
そもそもの原作は中国のミステリ小説で、それをアジアの大手動画配信プラットフォームiQIYIで海外戦略作品としてドラマ化し配信した。
その流れで、iQIYIの日本の代理店である大陸系のチームジョイが幹事となって映画化したというもの。
原作もあり、またドラマ化もされているので、ストーリーはしっかりとしている。監督はベテランの金子修介だから間違いない。
なかなか面白いスキームだが、残念なことにチョット地味な作品のためヒットはしていない。大陸での公開や配信などでリクープしていくということなのだろう。舞台や台本はグローバルを意識して作られている。
「百円の恋」を中国でリメイクしたのとは逆のパターンだが、日本と中国の映画界が手を結ぶというのはこれからの時代に必要なこと。もはや日本がドメスティックなマーケットだけで生きていく時代は終わっているのだから。

舞台は沖縄。地元の大企業の娘婿が義理の両親を殺害するが、その様子を3人の子供たちに見られてしまう。子供たちは家庭にいろいろな事情を抱えている。3人は男を脅して金を巻き上げようと企てる。
恐るべき子供達の恐ろしいストーリーだが、脇を固める役者がみな巧くて、全く違和感なく観ていられる。これぞベテランの巧みなる佳作。
いい時間を過ごせる。

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