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映画「Lowlifes」ちょっと新しい田舎ホラー

「田舎ホラー」と呼ばれるジャンルがある。のどかな田舎を訪れると、なぜか恐ろしい目にあってしまうという不条理なホラーだ。昔でいえばヒッチコックの「サイコ」、トビー・フーパーの「悪魔のいけにえ」なんてのが「田舎ホラー」の代表。日本でも「犬鳴村」というトンデモ系の「田舎ホラー」がシリーズ化されている。
最近ではアリ・アスターの「ミッドサマー」が印象に残っている。アメリカの大学生が、スウェーデンの留学生に故郷の村に連れて行かれる。その村は実はカルト宗教のアジトだったという話。日本でもなぜか大ヒットした。
「田舎ホラー」とカルト宗教はベストマッチングだ。どちらもエロ、グロがいい塩梅で混ざり合っていて、それがセックス&食欲という形で人気の推進力になっているのだ。

だが田舎ホラーのもう一つの柱、キチ○イもなかなか怖い。なぜか頭のネジが外れてしまった村人が、訪れる人を殺してしまう。その死体をソーセージにして売り出したら肉屋が大繁盛みたいな話も怖い。

この映画はアメリカのマイナー無料配信サイト「tubi」のオリジナル作品。「tubi」はAVOD型の配信プラットフォームで、ほとんどが旧作というサービスだが、アメリカでは人気らしい。そりゃあなんといってもタダなので、利用者は増えているようだ。
海外含めさまざまなコンテンツディストリビューターと契約を進めているが、一方でたまにオリジナル作品も作っている。ほとんど実績はないようで、失敗しないホラージャンルが多いようだ。
この作品その一つ。田舎を訪れた家族が、故障した車のドライバーを助ける。そこから物語が始まるが、ちょっと意外な展開をしていき、思う以上に楽しめる。
もちろん配信なのでグロさ満載。スラッシャー系のスプラッタシーンもきちんとある。血の量はハンパない。
アメリカは日本以上に貧富の差が激しい。Netflixだってもったいないと感じる人は多い。そうなれば無料のプットフォームは強い。実際、Tubiはけっこう伸びているらしい。
そんなプラットフォームを支える層が好きなのがスプラッタ系ホラーというのはけっこう理に適っているような気がする。

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