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映画「密輸 1970」夏の定番、アノ方も出ています!

いやあ、韓国映画ってホント、底力がすごい。懐かし映画の鉄板、海女映画ジャンルでこんなに素晴らしい仰天のアクションを映画を作り上げてしまうとは・・・
夏の海女映画、でもお色気は全くない。その代わり、痛快な海女アクションが炸裂する。そして夏の定番、サ○も登場、もう言うことはありません。

時代は1970年代、ちょいダサファッションがいい感じだ。
工場ができたせいで仕事にあぶれた海女たちが、海底に沈められた荷物を引き上げる「密輸」の仕事を請け負う。しかし税関の摘発で捕まってしまう。その時に一人の海女だけが逃げ延びている。
物語はその海女が2年後に港町に戻ってくることで展開していく。リーダーだった海女は刑務所から出所しているが、仕事はパッとしない。
そして海女たちは再び密輸に仕事に関わることになり、さまざまな人たちの思惑が入れ乱れていく。

投獄されている2年間を表す描写が素晴らしい。海女が刑務所の廊下を歩くと、背景の景色が映り変わっていく。バーチャルプロダクションを巧みに使ったシンプルながら圧倒的な時間経過描写だ。
ダサめのスプリットイメージも効果的。まさに1970年代を想起させる手法に唸らされる。
そして絶妙な音楽使い。当時のヒット歌謡曲を使っているが、当然日本人にはわからない。しかし訳詩を見る限り、歌詞と物語がピッタリとシンクロしている。見事としか言いようがない。
誰が善人で誰が悪人かわからない展開も上手い。韓国映画ならではのすご技の脚本力。脚本力、演技力、演出力が三位一体となって、極上のエンタテインメント作品に仕上がっている。

日本でもちょっと前に「コンフィデンスJPマン」というシリーズがあってなかなかよくできていたが、それをさらに洗練させて、極上に仕上げたのがこの作品だ。しかも海女のシスターフットストーリーにも心打たれてしまう。
そして海中の絶品アクションシーン。海女は素潜りだが、戦う悪党は潜水具を付けている。道具と慣れのどちらが勝るのか、もちろん結果は明白だ。

暑い夏、間違いなく涼しくなれる傑作映画だった。

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