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木爾チレン「二人一組になってください」流行のデスゲーム小説

「デスゲーム」という小説のジャンルがあるようだ。昔からサバイバル系として映画や小説で人気のジャンルだが、日本では小説や映画の「バトル・ロワイヤル」のヒットが躍進の大きな引き金になった。
韓国の「イカ・ゲーム」もそうだが、みんなで競い合ったり殺し合ったりして、最後の一人になれば生き残れる。そのストーリー展開にはリアリティがない分だけ惹きつけられるものだ。
この小説もそんな「デスゲーム」の一つ。クラスの生徒たちがペアになる。奇数の場合、余った人には死が待っているし、偶数の場合は一人を選んで生き残り確定とし、残りがペアになって余った人が死ぬ。他にも細かなルールがあるが、話はシンプルだ。シンプルだから、そこに悲喜交々、愛と憎悪が生まれる。

何かの作品にあったように、トロッコ問題で左に行けば自分の子供が死ぬが、右に行くと子供は助かり学校の他の生徒が全員死ぬ。爆弾のある部屋に鎖で繋がれ、足を斧で切り落として逃げれば生き残れる可能性があるが、そのままでは必ず死ぬ。ボタンを押せば一億円がもらえるが、その代わりに誰かが必ず死ぬ。
そんなシチュエーションに人は惹かれる。「究極の選択」「死の選択」だ。
最近話題のNetflixのドラマ「地面師」にもそんな究極の選択がある。
決して健全ではないが、だからそこ人は小説に非道を求める。そんなジャンルだ、デスゲームってやつは。
<9月半ば発売予定>

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