半分ろうそく【毎週ショートショートnote】
昔々ある所に、とても豪胆な王様がおさめている国がありました。
その名はキャンドルナイト王国。
王家はキャンドル家。
夜は町や村のあちこちに蝋燭が灯され、幻想的な雰囲気が魅力の国でした。
祝い事や祭りには特に豪華な蝋燭が用意され、家々が競うかのごとく家の前や庭、室内に多くの蝋燭を灯して祝ったのです。
そのロマンティックな光景は、国外から訪れる者もいるくらい、主要な観光産業であり、また多くの恋人達が逢瀬を楽しんでいました。
国王は民の暮らしを肌で感じるためと、お忍びで城下を廻