アメリカ独立戦争に関連したプチ問題

資料を読む練習として解いてみてね♪

【問題】

現在の英国王の治世の歴史は、度重なる不正と権利侵害の歴史であり、そのすべてがこれらの諸邦に対する絶対専制の確立を直接の目的としている。このことを例証するために、以下の事実をあえて公正に判断する世界の人々に向けて提示することとする。
国王は、公共の利益にとって最も有益かつ必要である法律の承認を拒否してきた。
国王は、国王自らの承認が得られるまで執行を保留するとうたわれていない法律の場合は、緊急かつ切迫した重要性を持つ法律であったとしても、植民地の総督に対し、そのような法律を通過させることを禁止した。また、保留条項のある法律に関しては、まったく注意を払わず、放置した。
(一部省略)
こうした弾圧のあらゆる段階で、われわれは最も謙虚な言辞で是正を嘆願してきた。われわれの度重なる嘆願に対しては、度重なる権利侵害で応えたに過ぎない。このように、専制君主の定義となり得る行為を特徴とする人格を持つ君主は、自由な人民の統治者として不適任である。
(一部省略)
従ってわれわれアメリカ連合諸邦の代表は、大陸会議に参集し、われわれの意図が公正であることを、 世界の最高の審判者に対して訴え、これらの植民地の善良な人民の名において、そしてその権威において、 以下のことを厳粛に公表し宣言する。すなわち―これらの連合した植民地は自由な独立した国家であり、 そうあるべき当然の権利を有する。これらの植民地は英国王に対するあらゆる忠誠の義務から完全に解放され、これらの植民地と英国との政治的な関係はすべて解消され、また解消されるべきである。

https://americancenterjapan.com/aboutusa/translations/2547/
 AMERICAN  CENTER japan 国務省出版物「米国の歴史と民主主義の基本文書」より


問 上記の資料は「アメリカ独立宣言」の日本語訳である。以上のことを踏まえて次の問いを答えよ。

1.アメリカ独立戦争当時の“英国王”は誰か?

2.『アメリカ独立宣言』を採択した第2回大陸会議は
  どこで開催された?

3.『アメリカ独立宣言』を起草し、アメリカ合衆国の
  第3代大統領にも就任した人物は誰か?

4.アメリカ独立を訴えた13植民地。この13植民地で
  最初に建設された州はどこ?

5.13植民地で最後に建設された州はどこ?

6.イギリスの極端な課税政策に対し、13植民地は
  反発運動を多く行い、「代表なくして課税なし」の
  提案も決議された。この「代表なくして課税なし」の決議は
  何の法律に対する反対から生まれたものか。

7.専制君主政を敷いた古代ローマ帝国の皇帝ディオクレティアヌス帝。
  この“専制君主政”のことをカタカナで何という?

8.アメリカ独立戦争において、アメリカの勝利が決定的となった
  戦いの名前を何という?

9.アメリカ独立戦争の講和条約:パリ条約において、イギリスが
  アメリカに割譲した領土はどこか?

10.アメリカ独立戦争の義勇兵として参加し、
  ポーランド分割に対し1794年に蜂起した軍人の名前は?


<↓答えはこの下↓>


【答え】

1.ジョージ3世
2.フィラデルフィア
3.トマス=ジェファソン
4.ヴァージニア
5.ジョージア
6.印紙法
7.ドミナトゥス
8.ヨークタウンの戦い
9.ミシシッピ川以東のルイジアナ
10.コシューシコ


【解説】

1.18世紀(1700年代)のイギリスというと
名誉革命が終わり立憲君主制を始めた…くらいの認識で
実際に誰が国王だったか思い出せない人も多いはず。

この時期のイギリスは“ハノーヴァー朝”で
特徴としては①重商主義政策の一区切り
②産業革命が勃発したことの2点が挙げられます。

①重商主義政策では、簡単に言えば
自分たちのお金の支出を抑えつつ
商売の儲けを増やして自国のお金を増やそう!

とする政策。

そのためにイギリスは他国の土地をGETし
できる限りの材料費・輸出費などを抑える一方
生産力をつけて儲けを増やしていく、という感じ。

この産業革命が起きた期間に国王だったのが
ジョージ3世>で、ハノーヴァー朝で最も有能で
忙しかった人物
となります。

<ポイント>
✅「1700年代のイギリス」といえば
ジョージ3世・産業革命!


2.世界史で“フィラデルフィア”と言えば
「大陸会議が開催される場所」以外にないと言っても
過言じゃないです。

なので先生が「大陸会議」という言葉を発したら
「フィラデルフィア!」って即反応できるように
しておきましょう!

地図で見るとニューヨークに近いな〜とか
感想も出ると思います。

まあ、そもそも13植民地はアメリカの東部にあったので
会議を開くのも当然東部ですよね。


3.トマス=ジェファソンといえば

  • アメリカ独立宣言』を起草した人物。

  • 第3代アメリカ大統領

  • 反連邦主義”だったけど、政策は真逆なものが多い。

  • ナポレオンから“ミシシッピ川以西のルイジアナ”を買収する。

の4点が浮べばOK。

反連邦主義なので、中央政府の権限を弱めて
州の権限を強めてほしいと考える立場だったんですが
自分が大統領になったら「支配する楽しみ」でも
覚えちゃったんですかね…。

おそらく、ナポレオンから土地を買収して
国土を拡大したこと➡︎アメリカを強くしたい!
みたいな考えが芽生えたんだと思います。

4、5.13植民地の最初と最後を聞く問題。

ここでは13植民地の最初となった
ヴァージニア州と
最後に仲間となったジョージア州の場所を
確認しましょう!


↑ヴァージニア州の場所

ちなみにヴァージニア州の州都は
あの“リッチモンド”です。

最初の13植民地の場所が
奴隷推進の南部の拠点となって
南北戦争を開始するとはね…。

↑ジョージア州の場所

13植民地の最後にして最南部だったジョージア州。
当然南北戦争でも南部側として戦います。


6.アメリカ独立戦争前では、
「イギリスがスペイン継承戦争とか七年戦争で戦費使い込みすぎちゃった⭐︎」
➡︎「植民地のアメリカからお金を回収すればいいか」
って経緯で、いろーんな税金を取られていきます。

その中でも重要なのが“印紙”と“お茶っぱ”。

で、印紙法です。
「紙に税金をかける」ということは
「お金を払わなければ発言もできない・残せない」ことにつながり
言論の自由を奪うことになります。

これは不当な扱いを受けているアメリカ住民の心の訴えも
お金を払わなければできないという状態。

貧しいお金持ち関係なく出版物や書籍に税がかかるので
あらゆる社会層に影響を及ぼしたことから
ふざけんな💢愚痴も許さんってことか??💢」と
反対運動が各地で勃発。

なので、「代表なくして課税なし」という
決め事まで成立したわけですね。


7.ドミナトゥス(専制君主政)というのは
“専有する君主による政治”なので
君主が軍事・司法・立法などの権限も持ち
独裁するというもの。

三権分立とは真逆を行く状態ですね。

特にディオクレティアヌス帝は
専制君主政の他にも「皇帝の神格化」まで行い
「皇帝は偉いから言うことを聞くか〜」
「皇帝は尊いし、何やっても許されるか〜」
という状態を作り出そうとしています。


8.ヨークタウンの戦い


ワシントンD.C.やリッチモンドに近いですね。


9.ミシシッピ川以東のルイジアナ

それぞれ以東と以西を確認!

13植民地がアメリカの東部なので
そこから領土拡大を目指そうとなると
どうしても“西漸”するよね。


10.コシューシコ

コシューシコはアメリカ独立戦争の義勇兵として戦い
その後ポーランドに帰国して、
第2回ポーランド分割に対する蜂起を行いました。

これを元に、「アメリカ独立戦争の終結である1783年以降に
第2回ポーランド分割が起きたんだな」って
推測することができますね。

ちなみにポーランドは全3回あったけど
「何もできず戦で泣くことばかり」で敗北します。

※語呂合わせ
・何も…1772年
・戦(いくさ)…1793年
・泣くこと…1795年


では、次回もまた👋

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