「子どもが大人を育てる」と聞いて、みなさんはどのように感じますか?普通は逆ですよね。しかし、以下の話を読んでみると子育てがいかに大人を育てることにつながっているかうなずけると思います。自分を含めて全ての大人が子育ての意味を考える機会になればと考え、記事にしました。
子育てで大事なことは、子どもを育てる以上に、子育てを通じて親が親らしくなっていく、人間らしくなっていくことだと思います。しかし、残念ながら社会全体で、子育てを通じて育つはずの「親心」がどんどん消えている状況だと思います。アメリカで33%の子どもが未婚の母から産まれているそうです。イギリスでは40%が未婚の母から産まれています。フランスで50%、福祉国家といわれるスウェーデンでは60%の子どもが未婚の母から産まれています。誤解しないでください。私は未婚や片親だけではいけないと言いたいのではありません。私は、「大量の男たちが自分の子どもの子育てに関わらない状況」になっているということを言いたいのです。0歳から5歳の子どもに関わるということは、大人が優しくなるということです。大人が想像力を身に付けるということです。大人が人間らしくなるということです。大量の男が子育てに関与せず、人間性を磨かない状況は、人類の歴史始まって以来、初めてのことだと思います。
人は、喋れない乳幼児のニーズに応えようと一生懸命努力することで「親」になっていくのだと思います。だから、その時期の子どもが何を願っているのか。何を望んでいるのか。そのことを必死に理解しようとすることが大事なのです。たとえ完璧に理解できなくてもいいのです。その機会を手にしてそれを理解しようとすることで「親心」が育っていくのだと思います。
以下は元埼玉県の教育委員長だった松居和さんが講演の中でされた話の一部です。大人が子育てを経験することがいかに重要なのかよくわかりましたので紹介します。
反対に、幼児期に親を育てられなかった子どもたちは、中学生になっても、高校生・大学生になっても、何か問題を起こして親を育てようとします。これが不登校やいじめの原因です。親に迷惑を掛けている子どもの行為は、結果的に親を育てているのです。ぜひ幼児期の子どもに天命を果たさせてあげてください。
この差は大きいです。子育てというのは、本来ならその子の小さい頃を知っている人たちによって行われるものなのです。その一番の適任者が親です。それが今欠けてきているから、子どもたちがものすごく不安になっているのです。
どうですか。「子どもが大人を育てる」意味がおわかりいただけましたでしょうか。親子の関係だけでなく、学校でも先生が「子どもから教わること」は非常に多いと思います。でも、上から目線の先生はそのことに知識として知っていても肝心なことに気づかないと思いますが。子どもから教わっていると本当に思っている先生は、教育を畏れ、いつも謙虚な姿勢です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。