#23 教師としての感性を磨く
朝、教室で登校してくる子どもたちを迎えます。その時、いつもより小さい声で「おはよう」という子がいたら、すぐに普段との違いをキャッチできるかどうか。授業中も「あ、あの子はまだここがわかっていないようだ」という「子どもたちのわからなさ」を瞬時に感じられるかどうか。ちょっとした子どもの変化を感じられることが教師にとっては非常に重要です。そして気になる子が、教師によって元気を取り戻せれば、今度はそれを見ているクラスの友だちの中にも自然とやさしさや思いやりが広がり、よい学級作りにつながり、正のスパイラルが始まります。
逆に、感性の乏しい無頓着な教師が担任だった場合、子どもたちは「先生は自分たちのことをしっかり見てくれていない」と直感的にすぐに察知してしまうものです。そして、だんだん学校生活が投げやりになり、子どもたちの心がささくれ立ち、クラス内でのトラブルが多発して学級経営が難しくなってきます。授業でも、教師が子どもの「なぜ?」「どうして?」をすくいとれないため、子どもが学ぶことを楽しめず、学級崩壊などにつながるいわゆる負のスパイラルに陥る可能性があります。
このようにならないためには、教師が自らの感性を磨いていく必要があると思います。感性とは感じて気づくことに他なりません。見えないことが見えるようになるのが感性だと思います。
だれかを好きになったことがある人は、わかると思いますが、好きになると言うことは、その相手に対して深く関心を持つことだと思います。だから子どもが好きだというなら、子どもに対してとことん関心を持つことができなかったら本当に「子どもが好き」と言えないのではないでしょうか。「子どもが好き」だから、先生になった人が多いと思いますが、「好き」という感情には大きな幅があると思います。子どものことを深く愛して好きであるならば、子どもたちに対して今以上に関心を持たなくてはいけません。そうでなければ、軽々しく口に出して「子どもが好き」だと言ってはいけないと思います。子どもがなぜそうするのか、子どもに深く関心を持てない限り、たとえ教室にいても、見えない大事なものにいつも気づかず素通りしていってしまいます。そんな教師の心根を子どもたちは直感で見抜いてしまいます。ですから、教師として子どもたちを指導するのであれば、まず子どもたちのすること、言葉、しぐさ、態度にこれまで以上に関心をもちましょう。そうすることで、今まで見えなかった子どものことが見えてきて、教師としての感性が磨かれていくと思います。そして教師としての感性が磨かれていくということが、今よりもより深い児童生徒理解ができるようになることにつながっていくのではないかと思います。
先生方、あなたの感度を磨いて、より深い児童生徒理解が出来ることで適切な指導ができるようになります。
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