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#80 見えない鎖に縛られている私たち

 こんな調査の報告があります。

 ノミは3ミリほどの小さな体で、自分の体長の約100倍もの驚異的な跳躍力を持っていることが知られています。これはもしノミが身長170センチの人間だとしたら、40~50階建ての超高層ビルの屋上までピョーンと跳びあがれる計算になります。スパイダ-マンなんて全然比較になりません。

 ところがこの驚異的な跳躍力を持っているノミを10センチ四方の箱に隔離したとします。すると、ノミは100倍もの跳躍力を封印して、天井の高さに合わせて、たった10センチ未満しか跳ばなくなってしまうそうです。しかも、そのノミを箱から出してあげても、もはや10センチ以上は跳ぼうとしなくなるといった結果が報告されています。さらに小さな箱に押し込めたとすると、ノミはもっと低くしか跳ばなくなってしまいます。本当は100倍跳べるのに、ノミは自分の力を忘れてしまうのです。

 これは私たち人間にも言えることだと思いませんか。私たちは小さい頃から、親や知り合い、学校の先生、友人、地域社会、会社組織、マスコミ、SNS等々によってすり込まれた社会通念や規範、一般常識に、知らず知らずのうちにがんじがらめに縛られています。これを「見えない鎖」と言うそうです。

 この見えない鎖も、上述した小さなノミの箱と同じです。しかるべき能力を持っていても、小さな箱の中が世界の全てだと思っていたら、自分の本当の実力を発揮できないまま一生を終えることになってしまいます。でも、「本当は、もっと広い世界があるのではないか?」「本当にこれが自分の力の限界なのか」と、はっと気づくことがもしできたとしたら、小さな箱の中から脱出して、自分でも驚くような飛躍ができる可能性が誰にだってあると思います。

 その大いなる飛躍の第一歩は、自分が「当たり前にそうだ」と思って信じて疑ったことのなかったことを根本から疑ってみることだと思います。ちいさな箱の中のノミのように他人の価値観や社会常識に左右されて、自分の限界値を勝手に決めてしまっていないでしょうか。その枠の中だけで「自分は最大限頑張っている」と思い込んではいないでしょうか。

 まずは常識を疑うことだと思います。常識を疑うということは、常識の中から問題意識を持つことです。そこから普段気づいていない、見えていなかった問題が「見えてくる」と思います。それが「見えない鎖」から自分を解放する第一歩になると思います。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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