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作業着メーカーさんを訪問しました。【アタックベース編】

広島県東部にある府中市・福山市。「備後(びんご)」と呼ばれるこの地域は古くから繊維業が盛んで、国内作業服メーカーの7割が備後エリアに集まっています。

府中市で90年以上にわたって倉庫業を営む株式会社朝日倉庫は、地元の作業服メーカーさんたちの流通を長年サポートしてきた繋がりとノウハウから、作業服のオンラインショップ『WORKWEAR ONLINE』を運営しています。

そんな朝日倉庫が、全国的に人気を誇る地元のワークウェアメーカーさんのもとを探訪するこの企画。人気のヒミツ、製造のこだわりに迫ります!



『登場人物のご紹介』

【今回訪問したのはコチラ】

アタックベース株式会社

1981年創立の作業服メーカー。 全国の小売店へ商品を提供するとともに、直営の作業服専門店『アタック』を全国でチェーン展開している。ユーザーのニーズをいち早く拾い上げ、トレンドと機能性を両立させた商品から、ニッチな現場の需要を満たす商品まで幅広いワークウェアを製造・販売する。


【お話を聞かせてくれた方】

アタックベース株式会社

代表取締役 山根さん
営業本部長/商品部本部長/執行役員 松田さん
ユニフォーム営業部 日比さん


【取材した人】

西(朝日倉庫)
入社1年目の新人社員。ワークウェアについて知識を深めるべく勉強中。
松坂(朝日倉庫)
WORKWEAR ONLINE店長。メーカーさんの“想い”もショップを通して伝えたい!




『アタックベースの魅力に迫る』

山根社長:朝日倉庫さんには倉庫業務と検品業務を10年以上お願いしていて、商品の受け渡しなどでほぼ毎日スタッフさんにお越しいただいていますが、インタビューという形でお話しするのは初めてですね。いつもきめ細やかなご対応をありがとうございます。

松坂:こちらこそ、いつもありがとうございます。本日はアタックベースさんの歴史や商品へのこだわりについてお聞かせください!

Work&Life Factory ATACK 新涯店

西:さっそくですが、アタックベースさんといえば、作業服のメーカーでありながら作業服の専門店『アタック』を全国に展開していらっしゃいますよね。

山根社長:はい。1981年に福山市内で『アタック』の1号店をオープンし、現在は全国に18店舗を構えています。

西:ということは40年以上、ワークショップを運営されているんですね。

松坂:今でこそ作業服の専門店はたくさんありますけど、その当時だとまだ珍しかったんじゃないですか?

山根社長:そうですね。作業服を製造するメーカーとして専門店を構えたのは当社が初めてではないでしょうか。ちなみに『アタック』1号店は今も現役で営業していますよ。



【アタックベースの歴史】

西:アタックベースさんの成り立ちを教えてください。


山根社長:1950年に、先代社長である私の父が『山根被服株式会社』を創業したことが始まりです。夫婦2人、ミシン2台で縫製業を始め、徐々に従業員を増やしながら、着心地よく動きやすい作業服の製造と販売を手がけていました。

1981年に山根被服の販売部門が独立して、『アタックベース株式会社』が生まれたんです。同年に『アタック』1号店も開店しました。

松坂:山根被服時代はどんな製品を作っていたんですか?

山根社長:当時はベーシックな作業服が中心でしたね。カジュアル寄りのワークウェアを作るようになったのは、アタックベースになって、全国の小売店への卸や直営店のチェーン展開を始めてから。今は自社製品の半分以上がワークカジュアルのアイテムです。



【ニーズを素早く、的確に反映】

西:直営店を持つメリットはどんなところですか?

松田さん:やはり、お客様のリアルな声をキャッチしやすい点ですね。特にここ5~6年はエンドユーザーの幅も広がっていて、求められるものが大きく変わってきているので、ニーズを商品開発や在庫管理へ素早く、的確に反映することが肝要です。

最近はゴルフやキャンプなどにワークウェアを着る人が増えていますよね。ホームセンターなどの小売店ではスポーツやアウトドア用品と一緒にワークアイテムを並べていることも珍しくないですし、価格帯も広がっています。

山根社長:メーカー側も既成概念にとらわれず、今の時代に求められているワークウェアを提供していかなければなりません。

西:ニーズの変化を受けて、近年はどんな商品を作っているのでしょうか?

松田さん:スポーツテイストを取り入れたものやファッション性の高いものに力を入れるようになりました。
作業時だけでなく通勤や休日にも着られるジャケットやパンツなど、使用シーンの“境目”を感じさせないような商品を展開しています。

山根社長:デザインを洗練させつつ、あくまでも私たちは作業服のメーカーですので、優れた機能を必ず盛り込むことにもこだわっています。



【通勤やオフにも着たくなる〈HUMMER〉シリーズ】

松田さん:アメリカの自動車ブランド〈HUMMER〉とのコラボレーションラインは、「ワークシーン以外でも使ってもらいたい」という明確なコンセプトのもと商品を作っています。

松坂:〈HUMMER〉シリーズは『ワークウェアオンライン』でも人気です。

松田さん:もちろん機能性も重視しています。一例として、このジャケットに水をかけてみてください。

アタックベース 透湿防風ジャケット「10554」

西:え!? いいんですか?

松田さん:はい、思いっきりいっちゃってください。

西さん:えいっ!(バシャ)…わっ、すごい!これだけの水を全部弾いてる!!

松田さん:耐水圧10,000mmの生地にテフロン加工を施しているので、撥水性バツグンなんです。防風性も高いので、雨風に負けず、タフに使っていただけるアイテムですね。

日比さん:こちらの〈レヴスキンズ〉シリーズも評判です。ニットのようなやわらかな風合いと、スポーツカジュアルなデザインが特徴です。よかったら着てみてください。

西:たしかに、ワークウェアっぽくない風合いですね。ストレッチが効いていて動きやすいです! カラーリングやロゴもかわいい!

日比さん:ポリプロピレンを配合した〈レヴスキンズ〉は、特注の生地なんです。汗を外に逃がしてくれるので、汗をかいても肌触りサラサラで快適ですよ。

松田さん:〈レヴスキンズ〉を使った商品はジャケット以外にもパンツ、コンプレッションなど多彩に展開しているので、目的に合わせてお選びいただけます。

西:街なかで着ていても違和感のないデザインだし、通勤やジム通いにもイイかも!



【涼風の袖をまとっているような〈空調風神服® 〉】

松田さん:今や夏の定番商品となっているファン付きウェア。アタックベースのファン付きウェアは“風の出し方”で勝負しています。
それが独自設計の【CIRCULATE V】システムを搭載した〈空調風神服®〉です。

The tough 空調風神服チタンベスト「6640」

西:【CIRCULATE V】とは一体…!?

松田さん:簡単に言うと「涼しさをよりアップさせるために、風の通り道を工夫した設計」です。こちらもぜひ試着してみてください。

まず、ベストの脇部分に大胆なホールを設けています。このホールから立体的な風が脇から肘にかけて吹き上げ、まるで空気の袖をまとっているような涼しさを体感できます。

松田さん:さらに首元を3D通気設計にしているので、首裏にも大容量の涼風が吹き抜けます。さて、ファンのスイッチを入れてみますね。

西:おぉ~!想像以上に強い風が全身を通り抜けますね!風が脇や首に直接当たってすごく涼しいです!

松田さん:【CIRCULATE V】システム搭載の〈空調風神服®〉は2022年に発売したのですが、今年はさらにフルハーネス対応デザインにアップデートしました。

西:炎天下の高所作業でも安心して使えますね!

山根社長:そうですね。アタックベースでは多様な作業現場を安全に、快適にサポートできるような商品づくりを心がけています。

山根社長:これまで衛生上の理由から一般的なファン付きウェアが着用できなかった食品工場などに向けて、白衣タイプの〈空調風神服®〉も用意していますよ。県や市の給食センターなどで採用していただいています。


空調風神服 半袖白衣ブルゾン「005」
空調風神服 長袖白衣ブルゾン「003」


【熱中症対策に! 独自開発の新商品〈水冷ベスト〉】

日比さん:熱中症対策アイテムとして、今年新発売した〈水冷ベスト〉もおすすめですよ。
ウェアに内蔵した独自の面状ユニット(写真↑)を通じて、ベスト全体に冷水が循環する仕組みとなっています。こちらも体験してみてください。

日比さん:背中のタンクに水を注ぎ、付属の保冷パックまたはペットボトルを凍らせた状態で挿入したら、胸元にある電源スイッチを押します。すると毛細血管のように、面状ユニットを介して上半身にくまなく冷水が巡るんです。

西:ひゃー!一瞬で冷たくなってきた!上半身全体がダイレクトな冷たさに包まれてる感じがします。猛暑の中でこれを着たらかなりクールダウンできそうです…!

日比さん:〈空調風神服®〉との併用も可能ですし、食品加工現場や飲食店、粉じんの多い現場など、ファン付きウェアを使用できない場所での暑さ対策に役立つアイテムとなっています。



【お客様の声と作り手の想い、両方を商品に込めて】

松坂:タウンユースもできるファッショナブルなアイテムから、特定の現場に適した作業服まで、アタックベースさんの商品は本当に幅広いですよね。

山根社長:ありがとうございます。「アタックベースになら欲しいものが全て揃っている」と思っていただけるよう、お客様がまだ気付いていないニーズを掘り起こし、カタチにすることを心がけています。

西:だから、独自技術を用いた商品も多いのでしょうか。

山根社長:そうですね。潜在的な需要に応えつつ、自社のオリジナリティを追求するためには、独自の設計や機能を生み出していくことが不可欠です。そうして作った製品に対する感想や要望を直営店などから吸い上げて、さらに改良しています。

松田さん:会社にも、びっくりするぐらいお客様からお電話をいただくんですよ(笑)。店舗じゃなくて、本社に直接ですよ。同じアパレルでも、この現象はワークウェア業界ならではという気がします。

西:たしかに、買った商品のメーカーさんに直接電話することはめったにないかも…(笑)。毎日着るものだから、普通の洋服よりも身近に感じるのかもしれませんね。

松田さん:おっしゃる通り、作業服は毎日着るものであり、日々の仕事をサポートするものなので、安全で丈夫な製品を安定的にお届けしなければなりません。
お叱りやご意見を直接いただけるのは、メーカーにとってありがたいこと。頂戴したお声を、より良い商品やサービスに繋げていきます。

山根社長:今はSNSが大きな影響を持つ世の中。「いちばんよく目にするものが、いちばん良いもの」という価値観が形成されつつあるように思います。
そんな時代の流れに適応しつつ、本当に満足度の高い商品、作り手の想いがこもった商品を提供していきたいですね。




『取材を終えて…』

取材は、アタックベース本社に併設されたショールームでおこないました。
「こういった取材も、自社商品への感想や反応が聞ける貴重な機会なんです」と山根社長。私たちにもたくさん試着させてくださいました!最後は全員でパシャリ。

朝日倉庫の通販サイト『WORKWEAR ONLINE』でも、人気の〈HUMMER〉シリーズからニッチな現場で活躍する作業服まで、アタックベースさんの商品を取り扱っています!



https://workwear-online.jp/


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