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歓楽街の光と闇と

先日、新宿 歌舞伎町で映画を観た帰り、ふと噂の「トー横」を歩いてみた。

マスコミ報道の通り、家庭に事情を抱えるであろう多くの若者の姿がそこにはあった。

もちろんトー横には薬物や売春といった問題があるのは事実だろう。しかし、行き場のない人々のセーフティーネットとしての役割を果たしているという側面もあるのではないだろうか?


ジャカルタにブロックMと呼ばれるエリアがある。
ムスリムが多数派のインドネシアでアルコールを提供している店が多いことから日本からの来客がある場合は私も利用することが多いエリアだ。
「アルコールを提供する店が多い=インドネシア人が少ない」この場所には多くのレストランだけでなく「カラオケ」という看板を掲げたキャバクラ(性サービスまで提供する場合も少なくない)も多い。

そこで働いているのは当然ながらインドネシア人の女性たちだ。


数週間前、ブロックMにあるレストランで私は仕事仲間と食事をしていた。隣の席には1人で食事をしながらスマホでテレビ電話をしているヒジャーブ姿の女性がいた。話の内容から子どもを両親に預けて地方から出稼ぎに来ている女性のようだった。

その女性は食事が終わると電話を切り、席を立った。

数分後に席に戻った彼女の頭からはヒジャーブはなくなっていた。

そして、彼女はそのまま会計を済ませ店を出て行った。


「これから彼女は仕事なのだろう。」



言及するまでもないと思うが

イスラムにおいて風俗産業は非常に否定的に見られている。
国や地域によっては、風俗産業は法的に禁止されており、厳しい罰則が定められていることもあるほどだ。

彼女の仕事が家族や知人に知られた時のダメージは日本人には計り知れないだろう。

それでも彼女は家族のために働けなければならない事情があるのだろう。

日本とインドネシア

言葉も文化も宗教も違う、遠く離れた2つの国ではあるものの、同じような問題を抱えている人の姿を重ね合わせてみた。

今回のコラムは序章となるだろう。

私は今後もこの2つのエリアを見守っていきたい。

Text by Nasser

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