【能力 技】余裕が生み出す質の高い仕事 (現状維持バイアスに負けない)

新商品や新規事業を興すときにはとにかく弾数を多くする、ということの狙いが分かってきた。当たる確率が低いからたくさん打つ、というのは当たり前のこととして認識していた。

でも、どうやら本当の狙いはそうではないと思い始めた。本当の狙いは、仮説検証がねじ曲げられた事実に基づいて行われるのを防ぐため。ビジネスがどうのこうのという話ではなくて、ある状況下における人間の行動心理に基づいている。

「次がない」人間は、事実をねじ曲げてでも仮説を成り立たせ、現状を維持しようとする。ダメな仮説を後生大事に温めたところで、腐った結論しか出ないのが分かっているのに、「次がない」人間は「この仮説はダメです」と言えない。

部下がやっている仮説検証の確度を高めたければ、上司はウソでいいから「次を用意してあるよ」と伝えてあげたらいいのかもしれない。やや荒療治だが。

〈次がない〉から「ダメ」と言えない心理もあるけど、「ダメ」と言うことが評価されないのも少しは影響している。良いアプローチを経て得られた「ダメ」は、大いに価値がある。でもそれを認めてくれる人は少ない。

〈次がある〉と〈良い「ダメ」の評価〉を試してみたくなる。

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