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企業の業務自動化を担うWorkato、1億1千万ドルの資金を調達

Vijay Tella (CEO) ・ニュースリリース

本ブログは、こちらに掲載されている英文ブログの翻訳です。万が一内容に相違がある場合は、原文が優先されます。


本日Workatoは、企業の基幹業務ワークフロー自動化を推進するため、シリーズDの資金調達ラウンドで1億1千万ドルを確保したことを発表しました。評価額は17億ドル。今回の資金調達ラウンドは投資会社のAltimeter Capitalが主導し、Insight Partners のほか、既存の投資会社であるBatteryおよびRedpointが参加しています。

現在、Workatoの現在の取引企業は7,000 社にのぼります。シリーズCの資金調達を行った1年前に比べて、ビジネスは3倍にまで拡大しました。業務自動化が現実のものになって以降、数々の重要な知見を得ることが出来ましたが、そのすべてがお客様やパートナーの皆さまによってもたらされたものでした。皆様には心より感謝を申し上げます。

WorkatoはシリーズCで7千万ドルの資金を調達していますが、なぜ今、追加の資金が必要となったのか。

それは、Workatoのビジョンを推し進め、「統合主導型の自動化(Integration-led Automation)」と呼ばれる新たな業界カテゴリーの発展をリードしていくためにほかなりません。統合主導型の自動化プラットフォームとは、企業の基幹ワークフローを自動化するために必要な新たな基盤となります。「統合主導型」という名のとおり、先進の自動化プラットフォームでは複数のアプリケーション、データ、そしてさまざまな部門を統合し、一体化していく必要があるからです。

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Workato: 企業全体の業務を自動化するオペレーティング システム(OS)

「統合主導型の自動化」というカテゴリーだけでは、Workatoのように多くの可能性を秘めた単一プラットフォームを想像することは難しいでしょう。Workatoを活用することにより、デジタル変革を成し遂げ、 インテリジェントな企業になることも可能となります。昨年(2020年)は多くの企業がデジタル化を余儀なくされましたが、その範囲は個々の部門に留まらず、基幹業務も対応を迫られることとになりました。企業の基幹業務フローを迅速に見直し、自動化して、変革を実現するには、企業向けの新たなソフトウェア レイヤーと、企業全体を自動化するための基盤となるオペレーティングシステムを急遽導入する必要がありました。このようなプラットフォームは、ユーザーがコードをまったく使用しないか、使用する場合でも最小限にとどめる仕様であることが望ましいと考えています。自動化は、業務部門やIT部門の誰もが実装できる、チームスポーツのようなものにすべきだからと我々は考えているからです。

企業全体の自動化に最適なオペレーティングシステムと言えばWorkatoであることを思ってもらえることを目指します。 企業の基幹業務フローの自動化をゼロから構築でき、データ、プロセス、UXなどのあらゆる側面に単一プラットフォームで対応できる。ここ数年間で多くのお客様がWorkatoを採用し、基幹業務の変革を実現している。「レシピ」はWorkatoの重要なコンセプトの1つで、コードを使用せずに英語の平文で業務フローを説明したものだ。レシピを使用すれば、IT部門や業務部門が自ら自動化を設定、監視できるほか、必要に応じて変更することも簡単にできるのである。

お客様と共に歩んだ2020年

新型コロナウィルス流行の初期に、有名なライドシェア(自動車の相乗りサービス)企業のCIOと話をする機会がありました。この企業はWorkatoのお客様でもあります。主軸となるライドシェア ビジネスは、ロックダウンの影響を大きく受けていたそうですが、レストランの食事や食料品のデリバリー、金融など、その他の新サービスに大きなビジネスチャンスを見出していました。市場の要望に応えるためには、これまでにないスピードで動く必要があり、他方ではチームを在宅ワークにしなければならない状況だったようです。

同社は社内業務の全面見直しに踏み切り、その範囲は新しいサービスプロバイダーの立ち上げ、経理業務や物流の効率化のほか、お客様の使用環境や従業員の作業環境まで幅広く網羅するものでした。Workatoは、業務用アプリとサービスプロバイダー間のワークフロー自動化に採用されたのですが、CIOによれば、この大規模な業務改善の重要な鍵になったと言ってくれました。また、この重大なイニシアティブの遂行にWorkatoのサポートが不可欠であったとの言葉をもらいました。微力ながら同社の業務変革のお手伝いができ、大きな役割を果たすことができたことを大変嬉しく思っています。

これと同様のケースをご紹介しましょう。米国大手の靴の小売り企業は全ての店舗を休業することになり、事業整理の手続きに入ろうとしていました。しかしその後、Workatoやその他のツールを採用した結果、 わずか数か月で100%デジタル化した企業へと生まれ変わったのです。この企業の場合も、全てのシステムや従業員を網羅する全く新しい基幹業務フローを考え、再定義したうえで実装する必要がありました。

このようなパターンは他の業種でも多く見受けられました。大手金融機関や退職年金基金、投資会社、保険会社、レストランのPOSベンダー、旅行会社など多くの事業者が、業務自動化の拡張に向けて投資を決断しました。事業の根本的な改革と、2020年に突きつけられた課題やビジネスチャンスを解決するためです。

こういった企業をはじめ多数の会社にとって、Workatoは企業全体を自動化するオペレーティングシステムとして機能しています。そのため変化に機敏に対応でき、早期導入、既存組織による仕組み作りを可能にします。統合主導型の自動化ネットワークは全社的なデジタル化において必要なものとなります。

真のデジタル化における新たな要件

真の意味でのデジタル化とは、新しいサイトの構築や、従業員がビデオチャットできる環境を用意するだけではありません。それは事業運営における重要ポイントの変革です。

このレベルの事業改革実現は非常に困難であり、時間もかかります。その理由は次のとおりです。

• 業務アプリやクラウド技術の多用により、データや業務プロセス、ユーザー体験が断片化され、企業はそこから抜け出せずにいます。

• アプリだけでは十分とは言えません。企業が実際にどうやって仕事をしているか、その9割方は企業が利用しているアプリからは捉えられません。クレイトン・クリステンセンが定義しているように、それは基幹業務のフローから把握するのです。実際に「仕事をやり遂げる」ために社内で業務をどう進めているか、たとえば顧客に製品やサービスを提供するために何をさせているかです。

企業の差別化は、利用アプリによって実現されるわけではありません(どこでも似通ったアプリを使っています)。それは顧客が好む製品や体験を提供する独自のエンド・ツー・エンドの業務フローによるのです。こういったフローの定義や自動化をする単一のプラットフォームは存在せず、企業によっていくらか独自性を帯びます。このようなフローは見えにくいものですが、暗黙的な組織文化の要所であり、業務運営に大いに関係します。

• 上記のような基幹業務フローにデータやプロセス、ユーザー体験の自動化の統合的なアプローチが必要です。今日では多様なツールの使用を余儀なくされ、業務フローの各部が連携もしない別々のツールに細切れに実装されています。うまく動かないという問題を抱えたら、どこを確認すべきでしょうか? データの問題? プログラム処理の異常? もしくは例外処理のエスカレーション通知がどこかに滞留している? このようなギャップがあると、ITと事業運営の双方の面で苦しむことになります。これこそが我々のチャンスなのです。事業が好調な会社でよく見られるこのような根本的な苦痛を解決します。

要約すると、データと業務プロセス、ユーザー体験のすべてを捉えられる単一のプラットフォームが必要です。そうすれば何が起きているか、まるごと「可視化」し、原因を特定して早期に解決可能です。さらに、基幹業務フローを改善したい、あるいはプロセス全体を完全に見直したい場合にも一か所で対処できます。いくつものツールを使って複合的なサブプロジェクトを立ち上げて、不確実な結果を招くこともありません。

この統合プラットフォームの本質をさらに深く理解するため、業務フローとその自動化に必要なプラットフォームの性質について、もう少し掘り下げて説明します。

統合主導型の自動化をかなえる統一プラットフォームとは

基幹業務フローは企業内部の業務の流れを記述したもので、エンド・ツー・エンドの独自フロー(アプリやデータ、チームの間における)を通じて顧客が好む製品や体験を提供します。企業のすべての部門でこのような何百ものフローが起こっています。

例えば、消費者がPS5を注文したり企業がCoupaの調達システムで契約すると、会社の基幹業務フローが始まって大量のアクションが発生します。もちろん、新しい顧客データはCRMや財務会計システムなど他のシステムと同期させる必要があります。しかし、以下のような業務と、それ以外も含むすべての工程を経なくてはなりません。

• 承認
• 顧客用に確保
• 注文履行に関わるロジスティクス
• 収益計上
• 顧客からのフィードバックの把握とそれに対するアクション
• 注文取りこぼしや顧客体験の低下など、エラーや例外への対応

現実的に、これらすべての基幹業務フローを作成・管理するには、データやアプリ、ユーザー体験のすべてを網羅し、企業全体の業務を自動化するオペレーティングシステムの機能を持った単一のプラットフォームが必要です。

ここでは、基幹業務のワークフローの記述と自動化、監視、最適化が可能なプラットフォームにおける主な要件を紹介します。

① エンド・ツー・エンドのワークフローをサポートし、複合的で長く使え、安全、高性能であること。企業向けに構築されていること。可能な限り人手を介さずに、アプリ間の動作の電子処理に対応し、例外処理には適切な人員が介在できる手動ワークフローに対応すること。

2. これらのフローに関連する業務データを処理すること。複合的なデータの変換や、複雑な構造を持つシステム間のマッピングが可能であること。重複データを避けるためトランザクションデータのセマンティクスをサポートし、リアルタイムまたはバッチ/バルクの両方で大量のデータをサポートできなければならない。

3. 従業員や顧客がアプリや入出力の切り替えをする非生産性を回避できるよう、すべてのアプリの間でユーザー体験フローと業務の流れを統一できること。

4. 新しい見込み客の流入や受注、従業員の採用や昇進など、事業運営で発生する事柄に応じてリアルタイムに結果を出せること。

5. 特にノーコードもしくはローコードでなければならず、開発者やコンサルタントだけでなく、問題領域に近い業務部門が自動化できるようにする。これにより、自分達の命運を自らで決し、カスタム開発にかかる巨額の費用と長期プロジェクトの期間を削減する。

このような要件を考慮すると、最新の自動化プラットフォームは高性能で安全な統合基盤をベースに、あらゆる種類のアプリ(クラウドまたはカスタム、パートナー、オンプレミス)と接続でき、こういったフローのすべてのレベル(データおよびプロセス、ユーザー体験)において自動化が可能とならなくてはなりません。平たく言うと、真のデジタル化の実現のため、自動化プラットフォームは統合主導型の手法をとらなくてはなりません。従来のUIベース主体のアプローチや、接続性において強固な基盤を持たない手法とは対照的になります。

自動化技術の現状

今日の企業は業務自動化に断片的なアプローチを取らざるを得ず、適切な手法を持たないがためにITツールをツギハギして使っている状況にあります。一つ一つのツールは、それぞれ特定の機能を提供します。iPaaSはアプリ間のデータを同期し、ETL/ELTはSnowflakeのようなデータウェアハウスにアプリからデータをまとめて大量にロードし、RPAはコールセンターや請求書処理のスタッフがする作業を自動化します。API管理はモバイルやカスタムアプリの機能を有効化するほか、BPMは着手済みのワークフローの自動化、チャットボットはSlackやMicrosoft TeamsのようなツールをSaaS用の統合UIとして機能させます。

ミドルウェア・ツールのリストを一読しただけで、少し圧倒されはしないでしょうか? あまりに多くのツールが局所的なプロジェクトを作り出し、お互いに切り離された自動化の孤島と化しています。企業の連携性を高めるどころか、新たなサイロを作っているのです。

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複雑さに加え、注文状況のような基幹業務フローの状況把握も困難にします。どのツールや基盤アプリを調査するのでしょうか? こういったフローは多くの場所に断片的に存在し、さまざまな人々や異なる組織により構築されていることが多く、フローの改善や変換はいまだ困難です。

企業と人間の脳の奇妙なたとえ話におつき合いください。人間の視覚野における感覚処理が、大脳で起こる思考や、側頭葉で行われる記憶の保存・検索から切り離されている状況を想像してみましょう。

ユーザー体験やデータ、基幹業務ワークフローのロジックをそれぞれ独立的に扱う、非連携のプラットフォームを導入するのは、企業の一貫性や情報処理の機能にとり好ましくありません。

自動化、さらにはデジタル化に誰が参画するのか?

ツギハギ状態のうえ、こういったツールは開発者や専門家による活用が前提とされています。

そのため、業務部門は以下の作業を強いられます。
1)IT部門に列をなして、プロジェクト完了時に変更が必要になるような要件を書面で提出する
2)複数のアプリ間での情報同期に人手を割く
もしくは
3)その場限りのシャドーITを使う無法者になる

これによりプロジェクトが失敗して、機会損失、プロジェクトの未処理、技術的また業務プロセスの負債の発生、ITの信頼喪失に至り、データの安全性が確保できないという負のサイクルが起こります。

複合的で非連携なミドルウェア群を含み、企業全体を包括的に自動化し、またIT部門と業務部門の双方にノーコード/ローコードを提供する自動化プラットフォームの供給は容易ではなく、またこれまでに実現できてもいません。Workatoのチームはこのビジョンの実現のため、辛抱強く開発を継続してきました。我々全員が企業に大いなる影響を及ぼす機会を手にしようと突き動かされているのです。

Workatoの経営陣やチームは統合化と自動化、クラウド、コンシューマー、ビッグデータの領域において、最も象徴的なプラットフォームを開発したり主導する重要な役割を果たしてきました。たとえばTibcoのBusinessWorks、AWS、Force.com、Skype、Fusion Middleware、Splunkなどにおいてです。徹底的に異なるタイプのプラットフォームを創り上げるため、我々は独自の専門家集団を招集し、ゼロから統合化と自動化を見直しました。

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Workatoのアプローチ

ここまで、最新の自動化プラットフォームが統合主導型の自動化アプローチを取るべき理由を見てきました。あらゆるアプリやシステムとの接続、基幹業務フロー全体のモデル化、データや業務プロセス、ユーザー体験にわたる、これらのフローのすべての側面を一つにまとめるには、という観点においてです。では、実際には製品としてはどんなものなのでしょうか?

Workato社の最大の誇りは、大規模な自動化やデジタル改革に必要な最新の統合自動化プラットフォームを我々で創り上げたことです。我々には何百もの顧客企業を全面的に自動化したという実証があります。

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Workatoのレシピ

Workatoの自動化プラットフォームの中核コンセプトは『レシピ』です。Workatoの顧客なら『レシピ』という語から、夕食ではなくまず自動化を連想するかもしれません。Workatoになじみのない方のために、その仕組みを理解するポイントをいくつかご紹介します。

• レシピは対話形式で、高度な内容を記述できます。Workatoのレシピの特性はアプリケーション間のデータ、プロセス、ユーザー体験の流れを1つのコンセプトで記述するところにあります。データやプロセス、ユーザー体験に適した複合ツールや体系的な知識の習得は不要で、自動化作業を劇的に簡素化できます。

• シンプルな2行のレシピでも、毎秒50万行のデータをSnowflakeに移行できます(大手新聞社によるWorkato活用事例)。ひるがえって、従業員登録の複雑な処理を全部まとめて設計されたレシピは100行以上になるでしょう(顧客のBroadcom社の事例)。

• レシピはイベント駆動型です。つまり、新規注文や顧客のエスカレーションなどの業務が発生するとリアルタイムに自動処理が行われます。

• レシピはノーコード/ローコードと対話形式で平易に記述できるため、問題の現場により近いはずの一般ユーザーでも素早く自動化を行えます。それと同時に込み入った業務フローやPower Usersアカウントに対応できる拡張性も備えています。

ここでは、あるレシピの抜粋を紹介します。UIにSlackを活用して顧客登録フローを自動化し、同時にSalesforceやSAPといったアプリに顧客情報を統合させるものです。

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レシピは、業界をリードする統合システム基盤で順番に実行されます。コネクタはWorkatoにおいて重要なものです。Workatoのコネクタは、あらゆるものとの接続を可能にします。クラウドやオンプレミス、カスタムアプリ、データベース、ストア、IoTストリーム、非定型文書、パートナーAPI等々です。すぐに利用可能な1000を超えるコネクタをサポートしており、データベースやWeb、ファイル/CSVのような技術的なコネクタもあり、どんなものともつなげられます。弊社の顧客は毎月500を超えるカスタムコネクタを作成しています。

顧客とともに飽くことなき自動化を追求

我々の取り組みとプラットフォームに対する顧客の反応は素晴らしく、信じられないほど刺激を受けています。Workatoで自動化を始めた顧客(「従業員登録」「受注から入金まで」といった単一プロジェクトの実施が多い)は、レシピで自動化した基幹業務のワークフローの数、またタスクの量を顧客平均で前年比約3倍に増やしています。

対照的に、統合・自動化ツールは当初の使用事例を超えて多用されないのが一般的です。RPAであればコールセンターや会計の自動化、iPaaSなら専門家がコード化した統合ツールのように。なぜなら、RPAロボットは一人で行うタスクの自動化に最適化されていて、複数のアプリや従業員、部門にまたがる広範囲のワークフローには適さないためです。一方、統合ツールの使用はその複雑さと生産性の問題、企業内で扱える人に限りがあるからです。

私は統合と自動化の分野が始まった頃から、長年ずっとこの領域に携わってきました。この種の企業内の自動化の広まりは、この業界ではこれまでありませんでした。それはただ単に不可能だったからです。 技術面で複雑さを抱えるツール、扱える人の少なさ、複数のツールの習熟が必要な現実があり、ごく一部の例外を除き採用に至りませんでした。たとえば大企業の「ライトは常時点灯」といったワークフローの類いです。

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期待が持てるのは自動化されたフローの数だけではありません。こういったワークフローでは総合的にデータを扱って処理し、種々のユーザー体験のフローを有効化せねばなりません。これは顧客の間で展開されている事例の組み合わせに顕著に反映されています。

今後の展開

我々はこれまで活力的に取り組み、顧客から多くのことを学んできました。今回の資金調達における最初の指令はカスタマーサクセスへの資源投入と「Automation Institute(ユーザー向けの教育機関)」の導入推進です。また、文書処理の自動化やワークスペースの連合、コミュニティ主導の業務接続、LCNCに関するプラットフォーム開発を促進したり、国際的なデータセンターを設立する予定もあります。

我々には「休む前に進まねばならない道のり」があり、私はその前途にわくわくします。この度の記念すべき節目を迎えるまでお導きくださったすべての皆様、顧客やパートナー、チームメンバー、投資家の方々に感謝申し上げます。

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