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作れるものは作りたい、の理由。

この前、自作の服をお見せしましたが、なぜ自作か、私の生活スタイルを今回は、洋服編をお話ししようと思います。


服は昔、高価だった

服は、その昔高価なものでした。
私は、一時期、ひと月働いたお給料の1/4ぐらいを 服に使っていた頃があります。その昔、服は、今みたいに安いものをどんどん買って、いやになったらどんどん捨てる、というものではありませんでした。お金が足りないから、もしくは他に使いたいから、今月これ買ったら、来月はこれ、みたいに、割と計画的に買っていたもんです。なので、一旦買ったらなかなか手放さなかった。流行もあるので、私はちょっとずつその時の流行を取り入れつつ、去年のものも少し残して、というような着方をしていたような気がします。とにかく、Tシャツ1枚480円なんて、考えられなかった。

物の価値への気づき

昔、とある工場の事務で働いていた時、事務所の掃除、してたんです。ふと見ると、床にクリップが落ちていて、それも塵取りの中に入るわけですよ。でも、工場で、ものづくりで大変な思いをしている人たちを見ていたので、思いました。『この小さなクリップ一つでも、企画して、工程を作って、そのための工具や機械を手に入れ、材料を仕入れて、作る。また、消費者の手に渡るまでに、たくさんの人が関わっているのよね。。』

大変ですよ。
これを思ったら、どんな物でも簡単に捨てれらなくなる。

U社という黒船出現

ある時期に、某U社の出現がありました。
あと、M社かな。服の価値を貶めたのは。
いわゆる、ファーストファッションの出現ですよ。
この関連業社のおかげで、『服って安い物』のイメージがついてしまい、服作りに携わる人たちは、とても苦労していると思います。

服を作る、って大変なんですよ。
パターンを引いて、生地買ってきて、裁断し、ミシンで縫う。
工場でも、基本、人の手によって服は縫われています。

もし、服を縫う工程を知ってる人が、"Tシャツ1枚480円で縫って" って言われたら、断るでしょう。生地代だけで終わってしまうから。また、服のもとになる生地にも生産者がいて、大変な思いをして、自分達の製品を作っているはずです。

Tシャツの値段は、< 生地代 + 工程代 (パターン代 + 工賃) + 宣伝費 + 流通費 + 販売費用+ 他) > って、(素人が考えると)こんなものかしら? 他にも何かありそうな気がします。アパレル関連の方、ご指摘お願いします。
これを踏まえた上で、なぜ480円なのか、考えたことはありますか?

ちゃんと考えたらあり得ない値段ですよ、480円なんて。
中国とか東南アジアとか、賃金の安いところで作っても、様々な費用はかかります。かかっています。それらを吹っ飛ばして 480円なんて、誰かが誰かを搾取している、としか考えられない。

それは、結局日本にはお金が落ちていない、ってことになるでしょうね。
誰かが服を買ってるお金は、日本から出ていく、ってことでしょ?
どこかで誰かが儲けてる。

罪な大量生産・大量消費

罪だと思うのは、安い服をどんどん買って、どんどん捨てる消費者。厳密に言ったら、そのシステムを作った輩達がいて、そこにうまいこと乗せられている人たち。”自分達は踊らされているんだ” と、少しでも気づいて欲しい。


捨てられた物は、今や、最終的にアフリカに行っているそうです。
こんな記事を見つけました。いいことだらけのことが書いてありますが、要は、一番最後の言葉に詰まっていると思います。

書いた記者の、一番最後にある言葉をどうぞ。

アフリカでも多様化する消費。いっけん「ウィンウィン」な古着ビジネスが成り立つのは、国際的な貧富の格差があるからこそだが、この古着の循環が、安くて低品質な服を使い捨てにする免罪符になっているとすれば、いずれ行き詰まるかもしれない。

The Asahi Shimbun GLOBE+ 更新日:2022.01.10より

私もこの記者と同様の意見です。今、日本はそのことにほとんど目を瞑っていますが、この先にあるのは、どう考えても行き詰まりしかない。今アフリカが受け入れてるけど、この先、古着輸入禁止になったら、どうしますか。世界中、ゴミだらけになります。

そして、自作の道へ

私は大量生産・大量消費にアンチなんです。どう考えても、いいシステムだとは思えない。特定の誰かだけが儲かって、その先にはゴミしか残らないシステム。

自分自身が身に着ける物には責任を持ちたいし、自分が着たいものを着たい。私は小さいので、買ってきても袖とか家で直さないと着られないし。どっちみち面倒なことになるのなら、作った方がいい。材料を日本製にしたら、正真正銘のMade in Japanが自宅でできる。大量生産をしている海外の業者にお金が流れるのなら、日本の業者さんの方にその流れが行った方がいいでしょ?

ということで、自作をするんです。
材料のほとんどは、日本製。(毛糸はアメリカ製も多いですが。)

今のところ、下着(編み物&ソーイングでできる物も含む)、トップス(編み物&ソーイングで縫った物)、スカート&パンツ、帽子&ミトン、バッグ、履き物(ワラーチ)を作ってきています。夏は上から下まで100%自作の物を身につけて、おでかけもしています。(ほんとは自作ブーツも作りたいんですけどね。。)

これから重きを置きたいのは、下着です。ファッション界では、自作するには難しい部類だと思います。そこを、編み物とソーイングを合体させて、なんとかならないかな、と思っているところです。

アイデアはあります。
そして、それを実現するには、自分の腕も上げないといけない。

やらなきゃ。

今回も、ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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