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裏六甲 上唐櫃地区の間伐について

2017年12月16日〜17日の二日間に渡り、神戸市北区の上唐櫃地区の山林の年1回の間伐が行われました。いわゆる裏六甲です。
僕たちがこの地区の皆さんと関わり始めたのが丁度今から3年前。神戸市の市有林の手入れによる木材活用の仕事をし始めてから数ヶ月のこと。元々、市の仕事はほぼボランティアみたいなもので持ち出しばかりだからと、当時の神戸市公園緑化協会の青木さんや神戸市防災課の松岡さんや尾添さん、田村さんなどが気遣ってくれて紹介していただいた民有林。
民有林と言っても、上唐櫃地区の地域住民たちで構成するいわゆる村の山であって、年1回の間伐も地域の住民たちがほぼボランティアで伐採を行うものだ。僕たちが関わるまでは、間伐はおこなってもそれを木材市場に持っていくまでの余力はなく、市場に出したとしてもその人件費や燃料代で全く利益が出ないということで切り捨て間伐され続けてきた山だ。
それを僕たちは現在、地区の人たちが間伐した丸太を山で引き取り、市場の市場価格よりも高値で購入させていただいている。年間、数立米、多い時で30立米程度、主にひのきや杉だ。今年でようやく3年が経過し、様々な木製品や床材、壁材にできるようになり、今年は神戸の建築家、阿曽芙実さんの自邸兼アトリエにひのきの床材を採用いただいた。
そして僕たちが関わる4回目の間伐の日がやってきた。今年は昨年より山の中腹の方の暗い森を間伐するため丸太の直径は30センチ程度と少し小さめだ。ただ、年輪を数えてみると約90年生程度の歴史ある木だ。
僕たちは大きな林業を展開することはできないし、それをするつもりもない。身近にお付き合いしている地域の人たちの問題を少しでも解決できて、彼らが喜び、また僕たちが少しでも地域に貢献し利益が得られるような小規模の経済循環が生まれればありがたい。
昨年、お世話になった地域の組合員さんにお礼の気持ちを込めて上唐櫃のヒノキで作ったぐい呑みを15個プレゼントした。組合員さんの高齢化も進み、70歳くらいの方で若手と呼ばれる組織の中で、そのぐい呑みを手にした大先輩たちの無邪気な笑顔を目の当たりにした時は、これは続けていかなくてはならないなと痛切に感じた。
地道で細々とした取り組みの中に、続けていくことで光明を見出していきたいと思う。

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