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スライス(slice)とはなにか7

 スライスというものを、ボールの回転種類という要素のみに焦点を当ててしまうと何かと発展がしにくくなってしまうというのが私の考えです。大切なのは相手やペアがいるという人とのつながりの中で生まれる軌道であって、ボールの回転数や速度というものは、その中の一つの要素でしかありません。私自身、レッスンの中で軌道を表す表現として使うのが抽象的にみた『生きたボール』『死んだボール』であったり『重いボール』『軽いボール』であったり『キレのあるボール』『勢いのないボール』です。擬音で表すなら「シュー」というボールと「ふにゃふにゃ」というボールともいえます。それぞれにどちらも前者が、いいボールだという意味合いで使います。これに関しては言葉だけでは理解が難しいのかもしれませんが、速度や回転数といった数値化できない感覚があるのも人間です。同じコース、同じ深さ、同じ速さで打たれても感覚的に質が違うと感じるボールがあります。その感覚的にいいボールとされる中の『重いボール』『キレのあるボール』の一つ『すべるボール』について書きます。 #擬音は大事なときもあるよね 😀 #←ジュニアのレッスンでは戦略的によく使う😁

 『スライスとはなにか』シリーズで取り上げた中の、再度ゴルフにおける『フェード』について取り上げます。*下図の黄色矢印

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  ゴルフでこの『フェード』ボールをどうやって打つのかは知りません。野球もわかりません。ただ、テニスにおける『フェード』ボールは、シンプルにボールの内側を捕らえるという技術を使います。ラケットとしてはヘッドよりグリップ側が先行し、手首の使い方は、返すのではなく入れていきます。これらの手の使い方をするための自然動作では、使う手側の腰を出します。ボールを捕えたら、その後は打っていきた方向に向かってラケットフレームの下部(ピンクマーク)を出していきます。ラケットヘッドは地面に対して縦から横、横から逆さへと移行していきます。 #ゆっくりね 👍 #テイクアップからインパクトまでは最短距離のイメージで

*オープンスタンス編

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*スクエアスタンス編


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 画像はストロークですが、考え方としてはボレーでも同じです。ボール回転種類は順回転であれ逆回転であれ、スウィングは下から上、上から下ではなく、後ろから前です。特殊なコース、状態によっては、あえてボールの勢いや飛びを殺すことによってコントロールするショットもありますが、基本的にいい質のボールというのは、準回転でも逆回転でも後ろから前にスィングします。その中でボールの内側を捕らえるとボールは生きるのです。しかもスライスは、この生きるボールを打つのに労力が少なくてすみます。とくにスィング速度は速すぎると、ラケット面の上をボールが滑ってコントロールミスしてしまいますし、ボールの質も悪くなってしまいます。 #ボールの質が悪い日は機嫌が悪い 😁 #スウィングの後ろから前は直接会って話を聞いてくれたらボブ・ブレッドも同意してくれると思ってる 😏

 さて、ここまでが質のいいボールの捕え方について説明してきましたが、打ち方的な技術よりも大切なことは、これから書く内容のことの方です。

 では、具体的な場面を想像してください。相手が前に出てきています。ポジションはサービスライン上にいます。その相手に対して足元にボールを狙います。相手のシューズから膝の高さの間くらいで打たせたい。けれど、いつもピンポイントでコントロールできるわけではありません。そのコントロールの許容範囲として、どちらを優先させますか。 #そもそも狙うっていうことが出来てるのか怪しい人もいるけど 😢

①膝よりも上の腰あたりで打たせてしまった。(深すぎた)

②シューズより手前に落としてしまった。(短すぎた)

 この答えが、順回転を主にしたスピン系では②を優先させます。逆回転のスライス系では①を優先させます。つまりスライスというのは軌道として短いコントロールミスというのが許されない場面で有効なのです。よく「ベースライン上に落ちるボールはミスショットだよ」と言われます。これはスピン系であれスライス系であれ、ベースラインへのオンラインをわざと狙うということはしません。しかし、スライスにおいてはベースライン付近まで飛ばすボールというのは許容範囲で想定内です。一方でスピン系のボールがオンライン付近まで飛ぶのは完全なミスショットです。逆にスライス系のボールが短くなるのは、明らかなミスショットです。ただし、狙いたいところに対して短くなるのは、基本的にスライスのミスショットなのですが『すべるボール』であれば短いコントロールミスも許容範囲となります。しかも、あえてわざとショートボールを使ったりと、打てる場所、軌道が増えます。 #まあスピン系もボールの質が悪い奴は短くなるが許容範囲にならないけど 😁

 次回は、ぜひこの『すべるボール』を使って試してほしい『さわらせロブ」について書いてみようと思います。 #緊急事態宣言の対応などで忙しいのに記事書いちゃった 😄  #←馬鹿は治らないね✌️









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