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温泉に入りたい

温泉の定義

法律上の温泉
昭和23年(1948年)施行の温泉法
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第二条
この法律で「温泉」とは、
地中からゆう出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く。)で、別表に掲げる温度又は物質を有するものをいう。
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海水や海そのものは「温泉」ではない。海水は地中から湧出していない。

また、地中から湧出していたとしても、
海水と成分に差異が認められなければ温泉ではないとう定義。

海水は温泉の「塩化物泉」に相当する成分を持ち、
泉質名がつく規定値(限界値※ギリギリの条件)より約35倍ほどの濃さがあるので、「温泉ではないが、高い効果がある」と考えることが出来る。

一般的な皆が入浴したい温泉は、
「適応症」(法律で効能と言ってはいけない)があるもので泉質名がつく療養泉のことをいう。

鉱泉分析法指針で定められている「療養泉」の条件は、法律上の温泉の条件よりも厳しい。
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【療養泉の条件】
1、源泉温度が25℃以上であること
または、
2、「溶存物質の総量」「総硫黄」「二酸化炭素(遊離炭酸)」など、
含有成分に関する7つの特定の条件のうち1つ以上規定値に達しているもの。

【温泉の条件】
1、源泉温度が25℃以上であること
または、
2、「溶存物質の総量」「リチウムイオン」「水素イオン」「よう化イオン」「メタけい酸」など、含有成分に関する19の特定の条件のうち1つ以上規定値に達しているもの。
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※比べやすくする為、ひらいた表現にしています。

療養泉の規定値【鉱泉分析法指針】

溶存物質(ガス性のものを除く)総量1,000mg/kg以上

水素イオン           1mg/kg以上 酸性泉
総硫黄<硫化水素イオン     2mg/kg以上 硫黄泉
遊離二酸化炭素(遊離炭酸) 1,000mg/kg以上 二酸化炭素泉
ラドン             8.25マッヘ以上 放射能泉
総鉄イオン           20mgkg以上 含鉄泉
よう化物イオン          10mg/kg以上 含よう素泉

源泉温度が25℃以上
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◆単純温泉 
・単純温泉  
子供や高齢者にもよく、不眠・うつなどのストレスにもよい優しい家族の湯

◆塩類泉
・塩化物泉       
湯冷めしにくい、塩による殺菌力がストロング 傷・温まりの湯

・炭酸水素塩泉【美肌】 
美肌をつくる 美肌・清涼の湯

・硫酸塩泉【美肌】 
傷・やけどの治癒効果高い 傷・脳卒中の湯

◆特殊成分を含む療養泉(刺激強め)
・二酸化炭素泉  心臓に負担をかけず血行促進 心臓の湯
・含鉄泉     女性に見られやすい症状に効く 婦人の湯 
・硫黄泉【美肌】 生活習慣病に対応 痰の湯
・酸性泉     殺菌効果高い 皮膚病の湯
・放射能泉    数が少なく貴重、効能レベル高 万病・痛風の湯
・含よう素泉   高コレステ血症が飲用適応症にあり、体質改善の湯

※【美肌】マーク無しでも酸性泉以外はpH7.5以上で弱アルカリの美肌効果

飲用可の場合
・単純温泉            ―
・塩化物泉         萎縮性胃炎、便秘
・炭酸水素塩泉  胃十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、耐糖能異常(糖尿病)、高尿酸血症(痛風)
・硫酸塩泉    道系機能障害、高コレステロール血症、便秘
・二酸化炭素泉  胃腸機能低下
・含鉄泉     鉄欠乏性貧血 
・硫黄泉     耐糖能異常(糖尿病)、高コレステロール血症
・酸性泉          ―
・放射能泉    ―
・含よう素泉  高コレステロール血症

美人の湯

美肌効果は療養では無く、「美容」なので適応症と認められておらず自称となるが、科学的には角質をとりツルツル肌をつくる効果、
毛穴の汚れをとる効果、メラニンを分解したりすることによる美白効果が認められている。

三大美人泉質

炭酸水素塩泉【美肌】ツルツルと美白(クレンジング効果)
硫酸塩泉  【美肌】肌の蘇生と保湿
硫黄泉   【美肌】メラニンの分解でシミ予防

液性(pH)pH7.5以上クレンジング効果

3つ含まれていればトリプル美人の湯!!


温泉分析書


2014年に適応症・禁忌症の見直しがされているが、10年以内に分析したものの掲示でOKなので、古いものが掲示されている場合が多い(半分位は古い)。
特に、禁忌症から妊婦さんを除外!(入れますよ!)適応症には一般的適応症(全ての泉質共通)に自律神経やストレス系に良い!が加わり、特徴が25℃以上だけの単純温泉は一般的適応症だけでしたが、
泉質別適応症(自律神経・不眠・うつ)が認められたのがポイントです。

・まずは温度(25℃)で暫定単純温泉、あとは水素イオン濃度(pH値)確認

陽イオン・陰イオンの記載
非乖離成分の溶存物質(ガス性のものを除く)
1,000mg/kg以上で塩類泉 ※入浴剤は約150mg/kg
5,000~15,000mg/kgより上は湯あたり注意。ちなみに有馬の金泉は約40,000mg/kgのものも。

・泉質名は成分がmgミリグラム/mvalミリバルで20mval%以上のものを多いものから、
プラスイオン系(イオン削除カナ)―(ダッシュ)マイナスイオン系(イオン削除塩追加漢字)※最終的には特殊成分が前に入る

・18~19%など隠れ成分もチェック

・ここで美人の湯かどうかもチェック

・泉質別適応症はオリジナリティが高いのでチェック

硫黄2mgで含硫黄、万座のホテルじゅらくは258mg

・飲用に関しては新しいものは飲めるところだけが記載されている。
許可が必要かつ飲泉所でのみ飲用可能。

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まとめ

◆【特殊成分】として泉質名に反映される成分水素イオン(陽イオン)     →酸性
総硫黄<硫化水素イオン(陰イオン)、チオ硫酸イオン(陰イオン)、遊離硫化水素(溶存ガス成分)>   →含硫黄
遊離二酸化炭素(溶存ガス成分) →含二酸化炭素
ラドン(湧出地における調査及び試験成績の「ラドン」の欄に記載が一般的)              →含放射能
総鉄イオン(陽イオン)     →含鉄
よう化物イオン(陰イオン)   →含よう素

◆陽イオンとして泉質名に反映される成分【塩類泉】
ナトリウム
マグネシウム
カルシウム
アルミニウム
鉄(2・3)※アラビア文字
水素
※水素は「酸性泉」のみで、かつ他に20mval%を超えるものがない場合のみ

◆陰イオンとして泉質名に反映される成分【塩類泉】
塩素イオン(塩化物イオン)→塩化物泉
硫酸イオン        →硫酸塩泉
※酸性泉の場合に限り「硫酸水素イオン(ヒドロ硫酸イオン)」も硫酸イオンに加える

炭酸水素イオン      →炭酸水素塩泉

◆温泉分類
25℃以上 温泉
25℃未満 冷鉱泉

(例)酸性・含硫黄・二酸化炭素・放射能・鉄・よう素―アルミニウム・ナトリウム・―硫酸塩・塩化物温泉

【特殊成分―(ダッシュ)陽イオン―(ダッシュ)陰イオン+温度】となる
※数式では無い

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