むかし書いた韓国コラム #802

 近所の家電販売店の前を通りかかったら、店員から「最近来ませんね」と声をかけられた。引っ越しをした際にテレビやエアコンなどを購入し、その後も掃除機やDVDレコーダーを買うなどしていたため顔なじみになっていたのだが、家電製品はそんなに頻繁に買うものでもなく、このところご無沙汰していた。「買わなくていいから涼みがてら遊びにきてくださいな」という商売っ気のまるでない言葉にちょっとうれしくなった。

 明洞の地下街のめがね屋さん。韓国はめがねが安いので気分転換によく新しいのを買っていた。気がつけば2週間毎日日替わりでかけられるほどのめがねコレクションとなってしまい、最近は購入を控えていたのだが、たまたま店の前を通りかかったところを店主に捕まった。ここでも「たまには涼みがてら遊びに来なさい」とドリンク剤までいただいてしまった。損得勘定抜きの親切さはありがたいもの。そろそろ家電とめがねを新調しようか…。

【解説】
 家電販売店の方はその後利用する機会はなかったが、めがね屋は韓国で生活をし始めたころからの付き合いがあり、自分でめがねを買うだけでなく、日本からの来客がめがねを買いたいという時に案内したりそれなりに売り上げに貢献していたからたまにドリンク剤をいただくのも悪くはないのかも。ある時めがねを買ったら韓国のりを1箱いただいたこともある。そんなにサービスばかりで儲けはあるのか心配になる。

(初出:The Daily Korea News 2010年7月21日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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