むかし書いた韓国コラム #859

 「012」が復活するということでネット上で話題になっている。「012」は90年代に韓国で「ピッピ」と呼ばれ親しまれたポケベルの識別番号に使われていた。携帯電話全盛時代のいまから振り返ると、ポケベルは呼び出しがあると近くの公衆電話に走る必要があり少々面倒な代物だったが、当時のコーヒーショップには各テーブルに電話機が備え付けられポケベル利用者に便宜を図っていたのも懐かしい思い出だ。

 「012」は来年から「モノのインターネット」に使われるようになるという。ポケベル流行当時の世相風俗が盛り込まれたドラマ「応答せよ1997」の続編となる「応答せよ1994」がちょうどいま放映中であることもあり、「012」復活の話題はポケベル世代の郷愁を誘っているようだ。

 一方、当方は来月初めに長年使ってきた携帯電話の識別番号「011」とのお別れを控えている。ITの発達で新たな技術が開発されれば数十年後にまた「011」と再会できるだろうか…。

【解説】
 ポケベルは自分で使ったことはないが、留学時代には全盛期を迎えており、数字の語呂合わせでメッセージを送るのが流行したのは日本と同様だ。最後の携帯電話の識別番号「011」とのお別れというのは、携帯キャリアごとに異なっていた識別番号を「010」に統一するというもので、スマホに買い換えた際に番号変更に同意させられた。10年以上使って愛着のある番号だったが、名刺の刷り直しなどを迫られちょっと迷惑だった。

(初出:The Daily Korea News 2013年11月8日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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