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むかし書いた韓国コラム #900

 廃線となった鉄道路線の線路を利用した「レールバイク」と呼ばれる施設が各地で運営されている。線路跡の細長い土地は活用しにくく、線路の撤去費用なども考えると有効利用と言える。一方、建設した路線を一度も営業することなくレールバイクに生まれ変わらせる計画もある。

 仁川駅から月尾島を結ぶモノレール「月尾銀河レール」は、試運転中に安全事故が多発し、軌道のずさんな工事なども発覚したため営業認可が下りないまま数年が過ぎた。再施工には多額の資金がかかるため処理方法について検討が進められていたが、このほど一部施設を補修補強しレールバイクとして活用する案がまとまった。

 元がモノレールのため線路は高架だ。ここをレールバイクで走れば眺めもよく爽快だろう。本来の用途としての営業はできないままの悲運のモノレール。レールバイクとして復活すれば観光の目玉にもなりそうだが、果たして実現するだろうか。今後の動向を見守りたい。

【解説】
 その後、2019年にレールバイクではなく当初予定通りモノレールとして開業した。当初製作された車両は廃棄の上で新たに小型車両が作られたほか、軌道システムも全面的に新しいものに作り直された。運営は仁川交通公社が担当している。写真は仁川交通公社公式サイトより拝借。

 
(初出:The Daily Korea News 2013年12月24日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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