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むかし書いた韓国コラム #577

 数カ月に1度の割合でデリバリーのピザを頼むことがある。先日ピザを注文したときのこと。電話口で注文を終えた後、「カードですか、現金ですか」と聞かれる。いつも現金払いなので「現金です」と答えると、これまで聞かれたことのない「5万ウォン札ですか」という質問が出てきた。

 ピザの配達スタッフはお釣り用の現金を持っているが、5万ウォン札が登場するまでは1万ウォン札がお釣りに使われることはなく、小額紙幣と小銭があればこと足りていた。しかし5万ウォン札の登場で1万ウォン札の用意が必要になった。ただ、日韓を問わずときどきピザの配達スタッフを狙った強盗事件が発生している。不必要に多額の現金を持たせるわけにはいかない。そこで5万ウォン札か確認するようになったのだろう。

 予想していなかった質問に思わず「1万ウォン札が2枚です」と答えてしまったが、机の引き出しには使わずに死蔵している5万ウォン札が何枚かある。次回からは心置きなく使えそうだ。

【解説】
 むかしは高額紙幣がなく、例えば航空券などを買う際に数十枚の1万ウォン札を持参したりもしたが、5万ウォン札が出たころからキャッシュレスが進んだこともあり、高額紙幣はいまいち使い勝手が悪く手元にきても使うことはほとんどなかった。受け取る側にとっても使いにくいものだったのだろうか。せっかくの高額紙幣だがちょっとばかり生まれる時期が遅かったようだ。写真は韓国銀行公式サイトより拝借。

(初出:The Daily Korea News 2012年4月3日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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