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むかし書いた韓国コラム #379

 かつて韓国を代表する花形列車だったセマウル号の終焉が近づいている。ディーゼル車により運行されているセマウル号だが、車両の耐用年限が近づいており、後継車両として電車特急が今年末に導入され、それに合わせ列車名も変更することになった。鉄道公社では23日から28日までセマウル号に代わる新しい特急列車の名称を募集している。

 セマウル号の名称変更はこれまでも何度か提案されており、1993年には「セナラ号」に、2003年には「太極号」に変更するとされたが、結局変更されることなく現在までセマウル号として運行されている。

 セマウル号に先立ち、ムグンファ号の一部が新型電車「ヌリロ」に置き換えられている。セマウル号の後継列車も基本仕様はヌリロとほぼ同一のものになるようだ。韓国の高度成長期を支えた花形列車の引退はさびしい限りだが、KTXやヌリロに続く韓国の鉄道新時代を切り開く新型電車の登場も期待したい。

【解説】
 このコラムではよくセマウル号の話題を取り上げていた。韓国を代表する花形特急で設備も豪華だったが、高速鉄道KTXにその座を追われついに終焉を迎えてしまった。KTXは単に速いだけの移動手段で設備も陳腐。セマウル号の後継となる「ITXセマウル」も、特室はなく華やかさに欠ける。食堂車もあり優雅な旅を楽しめたセマウル号が懐かしい。

(初出:The Daily Korea News 2013年1月28日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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